安達正興のハード@コラム
Masaoki Adachi/安達正興


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ファニーメイとフレディマック国有化、ほか
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〈 2008年 9月 8日 月曜日 )


●米史上最大の公金投入
ファニーメイとフレディーマックが政府管理下にはいった。ポールソン米財務長官が他に選択肢がないと……あるわけないじゃん。だから2社への支援策を発表した7月中に国有化しときゃいいのに、7月24日のコラムに: 
>この住宅関連はポールソン財務長官が口を酸っぱくして、法案はあくまで『信頼回復の安全装置』であり『実際に額を実行するつもりはない』と説明するが、それはおそらく議会に承認してもらうための詭弁だろう。実行しなきゃ経済効果は出ません。<と記しておいた。

ブッシュが今年の年頭教書でサプライムローン被害者の救済パッケ−ジ策を打ち出したが、効果なし。そんな救済策があったのがいまではきれいさっぱり忘れ去られた。いま財務省が決断した直接の引き金は8月雇用統計で明らかになった6%を超える失業率だ。雇用を増やす公共投資で米国内の失業率が1%減るよりも、グローバルに金融危機を招いたサプライムローンの処理が米の先行する責任である。韓国ウォンの下落もこれでしょ。世界的な株価下落ももちろん要因です。オスロ株式市場はこの一週間で11%下がり、半分は石油関連ですからミニパニックである。

米旧宅金融の半分を占める2社はなんとしても経営再生しなければならない。国有化を歓迎する。2社の株買い支えに2500億ドルが必要とされており、2009年の終わりまで政府は3000億ドル(32兆強円)を準備している。史上最大の公的資金投入である。さて効果のほどは?金融機関へは海外も含めて不良債権を保証するが、個人投資家は保証してもらえない。株主配当は?できるわけないわな。当地の石油基金(国家年金基金)は2社に約18億円の焦げ付きを抱えているが、保証は得られないとしても丸損は免れました。

●米軍の多すぎる誤爆
アフガニスタンの米軍と諜報組織はちょっと酷すぎますね!ヘマではすまない誤爆による民間人犠牲が相次いだ。ヘラトではアフガン地上軍と合同で民家を爆撃、タリバンが一人でもいたのかすら定かでない。4日はパキスタン国境のワジリスタンに米軍ヘリが越境攻撃を敢行した。これまでのドローン無人機による爆撃ではなく地上米軍特殊部隊がバラバラっとおりて破壊した民家を検分したという。女性子供の死体が並べられ、どうみたって被害者は民間人だ。パキキスタンの抗議に数日沈黙した米軍がしぶしぶ民間の犠牲を認めたが、殺害された92人のなかにタリバン兵がふくまれるという。弁解になりません。

一国が他国に突如無差別攻撃を加えればどうなるか。報復攻撃があり全面戦争に至るかもしれない。粗暴なふるまいだ。パキスタンならやってもいい、テロ撲滅の名の下になんでもありというブッシュ米軍の態度がみえる。パキスタンでは毎日テロ爆発がある。越境攻撃を許さなかったムシャラフが辞任してから、親米のザルダリを助けるために選挙前のドサクサに越境ヘリ攻撃に踏み切ったものと思う。が、情報の信憑性が問題だ。ガセネタでしたで見過ごしてはならない。

●猜疑心
カルザイはアルカイダとタリバンはパキスタンが聖域というばかりか、パキスタン軍が糸を引いていると避難する。猜疑心だ。一方グルジアに救援物資を積んだ米駆逐艦がグルジア領内の黒海に出入りしているが、これをプーチンは武器を運んでいる、その証拠があるとおそろしい剣幕である。ロシア軍がプーチンニ吹き込まずとも、米外交の猜疑心はロシア人にあまねく共通の認識になっており、猜疑心が払拭できれば世界の緊張は半減するはずだ。(了)



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