安達正興のハード@コラム
Masaoki Adachi/安達正興


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ビル・クリントンの神業
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〈 2008年 8月 29日 金曜日 )


● ビル・クリントンの神業演説
本番のオバガが登場するまで間があるので、三日目ビルのエンドース演説の感想を述べます。うまい。これまでの確執があったとも思わせないところは神業、ヒラリーを讃えていながらオバマを大統領に100%支持した態度とまったく齟齬を感じさせない。オバマが奮起を呼ぶ演説Inspiring Speechの名手とすれば、ビル・クリントンは説得ある演説Convincible Speechの名手だ。

2日目、ヒラリーの融和演説にシラケてオバマに投票しない民主党員はビルの演説でかなり減るだろう。オバマはこれ以上望めないまでにヒラリー支持者を得ることができた。ビル演説の効果はオバマが使った莫大な選挙資金の3分の一の値打ちがあるぞ。

●目が据わったバイデン
3日目シンガリのバイデンは息子の応援演説につづいて家族紹介でお涙頂戴があり柔和な面を出しましたが、後半は畳みつけるようなオバマ支援とマケイン政策の批判が怒気をはらみ、最後は目が据わっていた。TVでアップされるとスゴみがある。カサにかかる本性がでましたな。ビルは目は喜怒哀楽が豊かで独特のウソの目付きが分析されたりふくざつだが、演説中に目が据わるような怒気はない。バイデンの怒気は終わるとつきものが落ちたように柔和な顔に戻る。ありゃ2重人格じゃない?

●Noblesse Oblige ?
バイデンの演説中にオバマが会場に入ったと字幕が入る。で、シンガリバイデンの演説が終わってオバマが壇上に飛び入り、ここで私が選んだ副大統領はどうだといわんばかり、ヒラリーとビルに感謝し総立ち拍手を呼ぶ。しかし主役はオバマであり、そのことを印象づける場面でした。ビルもヒラリーも体よく利用された脇役と見たのはわたしの偏見か。共和党に3期取らせたくないばっかりに濁を呑み込んだクリントン一家。ノブレス・オブリージュでもあるまいに。

●オバマ政権とクリントン
両クリントンとオバマの関係はどうなるだろうか、想像してみた。オバマがマケインを破って次期大統領になったとしょう。3ヶ月で支持率は下がり始める。外交、経済、金融好転する見込みなどないのだ。マケインがなろうと変わりはない。そしてヒラリーが医療保障に携わる厚生大臣に選ばれなかった場合、両クリントンはオバマ政権を批判する側に移る、というより元の反オバマの鞘におさまる。仮にオバマがマケインに負けたとするなら両クリントン=オバマ和解は即座に解消する。そのときは神業的に美しくないだろう。

オバマ演説が近くなったのでここまで(了)



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