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民主党大会に倦む
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〈 2008年 8月 27日 水曜日 )
●ヒラリーの自虐的政欲
民主党全国大会は初日をほぼ通しでTVにかじりつき疲れました。面白くないから疲労倦怠する。イヤになったので2日目のヒラリーははもう見ないことにした。ヒラリーは民主党がオバマ支援で団結するように演説するだが、登場前からわたしのように特にいたいたしく感じてしまう人々は決して少なくないだろう。ヒラリーがいくら党のユナイトとオバマ支援を高らかに訴えたところで、自虐的な匂いは消えない。ヒラリーがビルより嫌いな私でも、ヒラリーを一貫して支持してきた中高年女性のやるせない気持ちはわかる。ヒラリーの転身は支持者への冒涜である。敗者は勝者を祝して去るのがベストであり、それ以上の粘り付き意欲は不浄と知るべし。 初日のミシエル夫人のスピーチは意外によくない。ちょっと買いかぶっていたかな。それよりも夫人がしゃしゃり出たり、家族友人が次々壇上に現れる党大会が前提としてイビツではないのか。 ●カサにかかる男たち 初日まずイヤになったのはJ. ジャクソンJrの高揚スピーチだった。Jrを初めて見たがその親父さんはオバマを指して『あの野郎のXXを握りつぶしてやりたい』とささやいたJ.ジャクソンである。彼のように黒人の民権運動から出発した苦労人はオバマのようにオイシイところを求めて上った男を苦々しいとおもうのは当然だ。だが息子の世代はオバマ型なのでした。この息子はオバマの亜流演説でペプシホール満員の会場を沸かせた。カサにかかった演説スタイルは最低だな。 カロラインの話し振りは好感が持て、父とオバマを並べるのは個人的な情感ですから自由にどうぞ。ケネディ神話のいわば最後の証人になる人物ですから傷つけないようにしましょう。そのあとテッド・ケネディーが壇上に出るのですが、まずテッド礼賛のヴィデオの上映があり、しかる後おもむろに重鎮が登場する演出。健康を取り戻したかにみえるテッドは力が入っていた。絶叫で会場が揺れるような興奮につつまれる。カサにかかった絶叫アジだ。 日常では気さくで優しく思いやりがあるのに、壇上に立つと嵩にかかってアジ演説をぶつ人間がわたしは大嫌いでね、副大統領としてオバマと組むジョセフ・バイデンも諮問委員としてカサにかかって攻撃することしばしばあった。ナンシー・ペロシはきつい人だが容赦なく高飛車に攻撃してアジるようなことはない。つまり嵩にかからない人であり、それゆえ会場を沸かせることはできなかった。党大会では会場を沸かせた者がファンタスチックなのである。 ●勝ち組はお祭り向き人間 オバマの姉だか妹だか、英語ではシスターとしか云わないので知りませんが彼女が一番自然で、人間的なバラクのエピソードを水増しせずに伝えていたとおもう。が、彼女の早い出番の会場はまだ空席が多くざわついてまともにフォロウしている聴衆はいないのか、拍手もなし。お祭り向きの人間がキャリアの階段を駆け上る大衆国家の弊害を今年の民主党大会に感じる。倦み疲れました。 余談です: ●コーカサスはロシアにもどれ 南オセチア自治州とアブハジア自治共和国はグリジアから独立するのが本来の姿であり、グルジアが独立して以来、この地域を統治したことは一度もない。ロシアが単独で独立承認したことに賛成です。コーカサス地帯はロシア寄りでよしとする地域である。西側がグルジア領土の分割を許さないと言い張るのは身勝手ではないか。もちろん現実的にはロシア以外に独立を承認する国は皆無であり、国連が承認することはありえない。しかし実質的にサアカシビリは南オセチアとアブハジアという領土の半分にちかい面積を失った。サアカシビリは自治区へ軍事侵攻ではなく経済分野から統合を目指すべきだった。もはやその希望は完璧に潰えた。この人もカサにかかるタイプである。 ●パキスタンの不幸 パキスタンではシャリフが連立を破棄して自ら大統領選挙に立候補、ザルダリと競う。なるべくしてなった喧嘩分かれ、しかも二人のどちらかが新大統領になる最悪の事態になりました。ポスト・ムシャラフはパキスタンの不幸がまっている。(了) あとがき:翌日読むと、雑多な誤記にくわえて文が日本語になっておらん。日本語らしく書き直してみました。
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