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グルジア、ほか雑記
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〈 2008年 8月 22日 金曜日 )
●掴みようがないオバマ
このところスかんたんではない仕事にかかりっきりでトレスいっぱいです。ちょっとしたことにも怒りっぽい。オバマにカっとなる。グルジアに侵攻したロシアにWTO加盟と核エネルギー協力を棚上げをしましょうという懲罰措置をマケインが言うならよい、米ロ関係がどういうふうに進展するかわかってのこと、またライスも40年前のプラハを持ち出して、ロシアのWTC加盟ボイコットを示唆し、ゲーツは軍事演習などの協力を中止するという。ブッシュ政府の対ロシア措置は年来の交渉経験に照らして言える限度を熟知してのことである。 現在のロシアに死に体のWTOも肝心なところは教えない米とのハイテク協力になんの意味があるか。ま、それはいいとしてオバマ政策の手のひら返し、要するに多数派になった政策をマネて前言を翻す。そのありようが常識のワクを超えている。ガンコ一徹はもちろんゴメンだが、政党カラーってものがあるだろう。マケインもまた共和党主流ではないが民主党から遠い立場である。ひきかえ、民主党上院議員オバマには政党カラーがない。最近ますます掴みようがなくなってきた。 ●ロシアだけがワルじゃない グルジアのロシア軍は交通要所を管理下に置く作戦で、実際の戦闘部隊は侵攻3日目の10日にほぼ撤退している。チェックポイントのロシア軍はスムースに撤退できるものですか。米と、それ以上にNATOが過剰反応している。しかし多分にジェスチャで示しておくフォーマリティーにすぎず、西側に組み込まれた東欧圏で同じようなロシア軍侵攻を牽制するため。それ以上の対決は望んでいない。「冷たい戦争」の再来? アホらしい。グルジア危機はサアカシビリの軽率な南オセチア爆撃がもたらした。グルジアが真実に民主国家でサアカシビリが真実に民主的な大統領なら、直ちに辞任させるべきであり、辞任するべきだ。 ●NATOをけしかけるカルザイ ムシャラフが辞めて飛び上がって喜んだ外国元首はカルザイさん。サルコジがイラクに派兵できなかったフランスの埋め合わせにアフガニスタンへ700人の増派をしたばかり。持ち回りEU議長国になった関係でサルコジさんはオリンピック、グルジアとロシアの和平仲裁に、八面六臂を楽しんでおられる。そしてフランス軍の慰問をかねてカリザイとの会談に滞在中、パトロールのフランス軍が100人もののタリバンに待ち伏せされ、10人殺された。場所は首都カブールのすぐ近くですよ、タリバン兵100人がまとまって活動できる状況にある。 悲痛なサルコジとは打って変わって、カルザイはNATO, ISAFの部隊をパキスタン国境のタリバンを越境攻撃せよとゲキを飛ばした。『アフガンの村にタリバンはいない。タリバンはパキスタン側の村にいる。あっちへ攻め入るべきだ』。 ムシャラフがいなくなったから威勢がよくなった。あっちでもタリバンには難儀しているのというのに。 あっちの村ではパキスタンの市民に自爆テロ攻撃を連発していて、一昨日は病院を、昨日は軍需工場を爆発させた。2日で100人以上、死亡したのはすべて民間人で兵士は一人もいない。この工場は武器弾薬ほか地上軍が携帯する武具なら何でも作っている、イスラマバードの北、隣町のワー(Wah)という町中にあり、50年代から2交代制で稼働している。自爆は門に出入りが多くなる交代の時間帯に二つの門でおこった。 ビックリしたブッシュがギラニ首相に電話:しっかりテロ対策をやってくれ、応援するから、とエールを送りました。ムシャラフ辞任による空白が心配なのでしょう。核兵器の保管も心配だ。おもうに北西部の部族たちは一国家のつもりですから、駐留パキスタン軍が撤退しない限りテロるでしょう。いっそのことパキスタンの部族社会がタリバン国家として独立してしまえば、落ち着くのではないかな。問題をおこせば堂々と封じ込めできる。(了)
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