安達正興のハード@コラム
Masaoki Adachi/安達正興


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Go Musharraf Go!
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〈 2008年 8月 15日 金曜日 )


●ムシャラフ、秒読みにはいる
与党連合がムシャラフに辞任退路の安全(Safe Passage)を提案。今週中に辞任の決心を迫られたムシャラフ。

パキスタン与党連合は一週間前、ムシャラフ大統領の辞任を要求、辞任しなければ国民議会で弾劾さすると声明をよみあげた。遅れに遅れた理由は選挙後ザルダリとシャリフがムシャラフ弾劾では一致しているものの組閣で袂をわかち、話し合いが中断したため。それで新政府になってから3ヶ月でムシャラフを失墜させる予定が半年近く立ってしまった。

●パキスタン独立記念日の退陣デモ
昨14日、パキスタン独立61周年を祝う祝会がありました。どうでもいいことですが、初めて独立した日に第一回祝典があったので公式には『第62回独立式典』という。辞任要求があってからはじめてノーネクタイのムシャラフが政府関係の小さな集会に姿を見せた。またパキスタンTVでも独立記念日前夜に演説した。内容は『政治の安定を保つため、争いはやめよう、全国民が和解するとき』といった、いまさらの内容にしらける。権力に執着する性格ではないが、人はそうおもうだろう。四つある地方自治議会の三つが大統領の弾劾を決議しおわった。国民議会でも弾劾成立は必至。記念祝典の市街は‘Go Musharraf Goユのシュプレヒコールで埋まった。

●選択肢はひとつ
ムシャラフの選択は:
 ▽1)辞任を受け入れ議会の弾劾を逃れる。
 ▽2)理由である権力乱用(憲法違反)と不正蓄財に関する弾劾に議会で弁明する。
 ▽3)大統領権限である「解散」を発令する。

▽2)は受けて立つ姿勢だが、議会の味方(ムシャラフの党PML-Q)はすなく弾劾に必要な3分の2は堅い。▽3)はこれをやっちゃおしまい。亡命すら許されない弾劾に至る。ということで▽1の名誉ある辞任をどんなかたちにするか秘密交渉が続いていた。

ムシャラフはバックチャネルで大統領辞任とすべての訴追から免責を求めている。それ以上に公的シニア・ポジション、たとえば元の古巣である国軍司令官に横滑りするとか、政府最高顧問といった地位につくなどが考えられる。安全な退路が保証されるか、8年間パキスタンを治めてきたムシャラフは余生の安全を保障されるべきという意見もすくなくない。

●今週中に辞任を決心
そこで弾劾を最も強く推進してきたナワズ・シャリフ(PMLミNムスリム同盟党首)が妥協して与党連合がムシャラフ大統領に「退路保障」を15日提案した:
 ▽2、3日中に結論をだすこと
 ▽幕引き最後のシーン(辞任スピーチ)は数日中におこなう。
 ▽PMLミNは告訴案の作成にいまそれほど関心をもっていない。

ということで、虫のよい交換条件は拒否されたが、ムシャラフは亡命せずとも自由に暮らせる保障を得る、また不正蓄財を詮索されずに済む。ムシャラフの時代は今週で終わる。(了)



Pnorama Box制作委員会

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