安達正興のハード@コラム
Masaoki Adachi/安達正興


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水不足のイラク
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〈 2008年 7月 29日 火曜日 )


●インド、連続16爆弾
この数日はテロ爆破が相次いだ。インドの連続爆弾テロは1時間のうちに16コが爆発、仕掛け花火のような精確さである。市場や病院を標的にした悪質なテロ。28日の時点で死者49人を出した。良質なテロはないわけですが、せめて軍基地や警察署や政府建物にマトを絞ってくれよ。

●テロの都、イスンブール
トルコの首都イスタンブールが物騒だ。市場を爆破したやり方が悪質だ。一発目は人寄せ音爆弾、何事かと店の中の人たちも出てきて1000人ばかりの人だかりができたところへ破壊力のあるホンモノが爆発した。28日現在死者17人。昨年暮れからトルコの空・地上軍がトルコ領内クルド分離派PKK(クルディスタン労働党)の聖域であるイラク北部国境地帯のPKK基地に越境攻撃を続けている。爆破の前日も越境攻撃があった。PKKの仕業にするのが近道だが、どうやらそれほど単純ではないようで、イスラム右派/過激派グループが怪しい。トルコのEU加盟はこのテロでまた一歩遠のいた。

イスタンブールは観光客が多い街で、日本人観光ツアーが年中ある。これまでのところ労働者街で爆破が起きている。市内中央のホテルに泊まって名所旧跡をバスで廻る団体旅行ならまず大丈夫だろう、とおもわれているようですが……。

●バグダッド巡礼の列に3人の自爆女性
バグダッドで28日、女性3人が自爆したテロ事件は、シーア派の宗教行事に向かう巡礼者を標的にした。セキュリティー検査のお目こぼしに女性を使う悪質なテロリーダーが多くなった。この自爆テロで28が死亡、同じ日キルクークでは男性の自爆テロがあり死亡者27人と伝えられる。スンニ武装派が米軍協力に転向、マフディ民兵が停戦し、米兵の被害が少なくなったが、イラク内でのテロはあいかわらず頻発している。

●バグダッド、3000人が雨乞い祈祷
イラクでは梅雨といわないがその頃に雨期がある。40度を超える暑い夏に備えるたいせつな雨である。それが今年はカラ雨で大地はカラカラ、砂嵐が異常に発生しているという。www.timesonline.co.uk/ イラクを縦断するチグリスとユーフラテスが過去20年で60%減った。イラク侵攻が始まる前からユーフラテスの湿地帯は干え上がっていた。この湿地帯を回復するのが戦後復興事業の一つに計画されたが(コラムに灌漑水路のことなど書いた気がするが古い事とて見つからない)、治安悪化でフッ飛んでしまった。

枯渇の一因はチグリスとユーフラテス上流でトルコとシリアが建設したダムや貯水池による下流への減少である。加えてイランから注ぐチグリスの支流もイランの取水で水量が減った。石油があっても水がなければ農業が成り立たず穀物が育たない。イラク今年の小麦生産量は昨年の51%に落ち込む見込み。旱魃による牧草不足で100万匹の羊を屠殺。
(了)

付録:暑い!日中は草木も眠るウダル暑さ、普段ならどこからか聞こえる芝刈り機の音はおろか車の音もしない。眼下のフィヨルドに暴走モーターボートの唸りがときたま静けさを破る。カゲロウが立っているのか海面の向こう岸は震えるように見える。そんな暑さでも乾燥した気候は日陰に入れば凌ぎやすく、涼風がそよと吹けばこれに勝る至福はない。自然の息吹と呼吸を合わせ『あれ尊(たふ)と』の境地であります。我が家は日曜に外で働くのは厳禁、騒音を出してなはらない。これは安息日を守る当地の習慣で、郊外住宅地や地方ではいまでも概ね守られている。ではしかたがない、天気のよい去る日曜日は写真のような荒れ庭の一角でミステリーを読む。



Pnorama Box制作委員会

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