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ファニーとフレディ
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〈 2008年 7月 24日 木曜日 )
●ファニーとフレディの語源
米財務相ポールソンが発表した住宅金融への支援策が23日、272-152であたふたと下院を通過。上院では反対共和党議員が議事妨害に出るそうですが、数日中にこの住宅関連法案が通過する見込み、ブッシュはちらつかせていた拒否権を発動しなくてもよくなった。上院通過次第に署名する意向である。 たった二つの住宅金融機関を救済するために3000億ドルまでとは、天井無しに近い公的基金の注入ではないか。政府系金融機関=GSE(Government Sponsored Enterprises) であってもブッシュ政権ではかんがえられなかった税金による救済である。米経済はとうとう背に腹は代えられない,という切羽詰まった状況にある。 公的資金の投入に反対するわけではありませんが、救済支援の法案作成に手間取り、対策が後手、後手に回った感がいなめない。法案の条文は700ページもあるといいますから作成するのに月日がかかり、途中で改訂したり大変な作業である。市民感覚で安易に批判できないのですが、今年にはいってからだけで34万所帯が持家を銀行に差し押さえられた。民主的法治国家の代償は新たな社会問題に対応する法規が欠けていたり不適切なため対応がどうしても後手に回る。日本に将来再びバルブ崩壊がおこるとすれば、そのとき空白の10年の経験が生かせるか、甚だ疑問である。時代とバルブの性質が異なれば前回の経験は処方箋になりえない。その点、自然災害や安全保障に対する危機管理は先手を打って法制化できる局面が多く、これをサボル政府はやまもり批判すべし。 ファニーメイとフレディマックというGSEらしからぬ呼び名はどこからきたか、正式名を見てああそうかと頷く。頭文字から覚えやすい単語に置き換えるやりかたです。くだらないことですがメモしておきます: Federal National Mortgage Association連邦住宅抵当金庫→ Fannie Mae Federal Home Loan Mortgage Corporation 連邦住宅貸付抵当公社→ Freddie Mac さて、この住宅関連はポールソン財務長官が口を酸っぱくして、法案はあくまで『信頼回復の安全装置』であり『実際に額を実行するつもりはない』と説明するが、それはおそらく議会に承認してもらうための詭弁だろう。実行しなきゃ経済効果は出ません。 話題を変えます。 ●不遜、オバマの肩たたき 中東・欧州訪問中のオバマは日程半ばの中東歴訪を超えて、可もなく不可もなくといったところ。Barak Obamaと胴体に書き込んだ特別機をチャーターし、米3大メディアのアンカーを随行させた前景気に比べると低調である。そんなもんだろうというのがわたしの感慨です。イラクでは米兵がわっと取り囲みもみくちゃになるシーンがない。お膳立てされた兵士とだけ握手、基地の食堂で席をともにした兵士たちはどこかぎこちない。キャンプでの記者会見はキツイ質問があいついだがわたしには何を言ってるのか要領を得ない答えだった。 オバマはアイソ良い人であるが、態度がデカく図々しい。まだキミは大統領ではないぞよ、イラク訪問では先輩上院議員を従えるように闊歩しちゃいかんのです。候補者の分際で首長と対等に握手しちゃ礼儀に反します。国のトップリーダーとはじめて会う時は軽々しく肩に手を回したり肩をたたいたりしちゃならんのです。玄関まで迎えに出たヨルダンのアブドラ国王の肩に手をかけるなれなれしさはナンダ!時が時ならお手打ちの行為でござる。ま、アブドラは若く気軽な国王だがオバマの無礼を無視したのはさすがでした。で、オバマは一瞬で手を引っ込めました。アメリカ人は皇室に対する敬愛とか礼儀が米の歴史上ないといえ、欧州の国王/女王や天皇の肩に手をやるアメリカ人はいない。オバマならやりかねませんな。(了)
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