安達正興のハード@コラム
Masaoki Adachi/安達正興


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敗北ヒラリーの寂しい初仕事
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〈 2008年 6月 28日 土曜日 )


●小さく見えたヒラリー
ヒラリー・クリントンが民主党指名争いに敗北してから、新しい仕事『オバマの選挙メイト』に登場したニューハンプシャーのオバマ集会をライブで見る。明るいブルーのパンツスーツが新鮮な印象をあたえる姿に寂しげな笑顔が、見るに偲びない。劣勢にチャレンジを捨てなかったあの覇気はなく、急に小さく萎んで存在感が薄らいだ。

前座の地元政治家、知事や上院議員の紹介演説のあと、『あなたに必要なチェンジをもたらせてくれるオバマ』に投票しましょうと、懸命のスピーチだがムリしている感じがする。支援演説の拍手はヒラリーにではなく応援するオバマへの拍手です。嬉しさなどホンモノでありえない。壇上での親密なボディーラングエッジはギコチなく、壇を降りたらすぐ別行動でしたね。

●ヒラリーの世渡りテクニック
真打ちオバマがまずヒラリーを褒めそやしいっぱいお礼を述べるシーンに歴然となった上下関係を見る。ヒラリーはどうして辱めを甘受して居残ろうとするのだろう。モニカ・レヴィンスキーと不倫した夫に耐えたと言えば聞こえはいいが、あれは100%政治的な選択だった。

ニューヨーク上院に出馬したときもベテランのモイニハンから地盤を引き継いで(ビルが買い受けた)滑り込んだのも政治的駆け引き。ヒラリーの世渡りテクニックは『寄らば大樹の陰』を離れたことがない。一人で落ちてゆくより、ワルでもテキでもいいから寄れる大樹を離れようとしない。オバマの盟友に転換したのは民主党が結束するためとか、選挙資金の負債を肩代わりしてもらうためとか言われるが、そのまえに目下の大樹・オバマに寄り添う世渡りの術が無意識にあったと独りおもう。そして得るものは、オバマ政権の「保険社会福祉長官」くらいだろう。

●リベラルは変幻自在
オバマはヒラリーの支援が必要だ。それにしても豹変ぶりは唖然とする見事さで、ビル・クリントンをアメリカ史上の偉大なカリスマ的大統領と取り込んだ。ビルはマンデラ90才の誕生祝いにロンドン滞在中だが、オバマ支援を口にした。民主党リベラルはもともとドグマに冒されず融通のきく、悪く言えば無節操なところがある。ニューハンプシャー、その名もユニティーという町でユナイト(結束)を呼びかけた27日の集会で、オバマが全米全ての若者が奨学金を得る……と。そういうのオバマの政策にあったかな、会場の若者を沸かせましたが、出来るのかな。

●オバマ恐怖症
オバマ、ヒラリーとビル、ケネディ、ゴア、エドワーズ、など皆さんご時世にあわせて意見をかえるのに躊躇されない。ご時世はバラック・オバマに収斂するのでしょうか、Obamanophobia(オバマ恐怖症)のわたしは疲れました。(了)



Pnorama Box制作委員会

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