安達正興のハード@コラム
Masaoki Adachi/安達正興


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原油140円突破を考える
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〈 2008年 6月 27日 金曜日 )


●夏のガソリン代
26日原油NYMEXが初の140ドル台に、あおりでダウ平均が2年ぶりの急落となりました。おかげで円高に触れましたがそれでガソリンが安くなることはなかろう。今年の夏は高いガソリン代を覚悟しろ!と、たしか昨年暮れに書いておきました。この夏、日本はリッター180円に、当地は今リッター280円ですが確実に300円になります。

抗議の組織デモがまだおこっていない日本と当地ノルウェーですが、当地でも夏休みが終われば漁業・運輸関係の労組が国会議事堂にデモる雰囲気になっている。

●広がるオイル暴動
フィリピンで起きているようなオイル暴動が、開発途上国中に広がり、8月には欧米の労働者住居区でも散発するような事態、いわば『世界同時多発オイル暴動』すら考えられる。先進国はガソリン税削減、後発国は補助金増しで対処する……といっても限度がありますからね。暴動の矛先が煽動されてオイルリッチの湾岸諸国やロシアに向かうおそれもある。はい、あってもよいとおもう。

したがって平和裡に原油価を安定するには、最も簡単に増産できるイラクが安定することだ。国際社会はイラクの治安回復に惜しまず努力ねがいたい。いまそのためガンバってるのはだれですか、ブッシュですぞ。これを言うとすぐ石油がらみと知った風な口が返ってくる。とんでもない、ブッシュはよくも悪くも信念に純粋である。らみアメリカ人の4分の1はなおブッシュを支持している理由です。

●オイル消費は減少傾向
さて、秋から冬にかけてどうなるかを考えてみるに、マイカー通勤や,行楽ドライブを倹約したり、職場・家庭での暖房節制、沸かし風呂の回数を減らすなどしてオイル消費は減る傾向にある。たしかに減る傾向にあるが、庶民が減らせる量など、実はリッチな勝ち組が浪費する量に相殺されるという意見がある。そうであっても、景気が悪くなりますから産業全体に石油の消費量が伸び悩むでしょう。冬でもスイカが食えるような加温栽培はなくたって困らない。

●原油高のメリット
成長めざましかったインドや中国の経済成長はすでに鈍化しており、すると秋口から世界市場での供給がダブつき価格は下がる。そうなればまた消費が増え、価格上昇を招く。ま、数年は世界的にガソリン代高止まり、日本はリッター200円前後を推移か。当地は320円前後だろうとわたしは半ば愉しみに覚悟しています。

世界の石油消費量が減ることは気候温暖化を緩慢にし、地球に悪いワケはない。インド・中国の急激な成長にブレーキがかかり、地方と都市部の格差是正、富の分配が進むのではないか、と期待できるからである。(了)



Pnorama Box制作委員会

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