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ガソリン値上と欧州のストライキ
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〈 2008年 6月 13日 金曜日 )
●陸送トラック運転手と漁師の抗議デモ
高くなったガソリン代に各地で抗議デモがおこっています。スペインではトラック運送のドライバー達が道路に数珠つなぎになって「駐車」、交通をマヒさせる戦術にでた。4日目ぐらいから政府が運送業組合(経営者でないのがミソ)に減税と緊急財政支援することで平常にもどった。未だ不服で合意に達していない組合員は12%ですから、一応終わった。 ついでに他の欧州各国で陸送ドライバーや漁師のガソリン代抗議デモがあった国はイギリス、フランス、イタリー、ポルトガル、ベルギー、ブルガリア。欧州の長距離ドライバーは車体の大きいロリーを国を跨いで陸送するためか、運送会社から個人が請負いするかたちがかなり多い。彼らはガソリン代を自前で出さなければならず、それで漁師とトラックドライバーが真っ先に抗議するのである。 スペインでは大規模で長引いたため、スーパーの商品が入荷できず市民生活に打撃があった。よってサパテロ首相が直々に交渉にタッチして終わらせなければならなくなった。 ●賃上げ闘争組合員の給料は低ない よく似た事態がイギリスで今日から始まろうとしている。シェル石油のタンク車ドライバーが、職種からガソリン代ではないわな、賃上げを要求していた。昨日、経営者側との交渉が決裂。全英1000のシェル・スタンドはたちまちカラッポになります。 爆発危険物であるガソリンタンク車のドライバーはそれなりの資格が必要で平均給料が日本円にして年給約670万円。高くもないが低くもない。経営者側は、08年1月1日に遡って7.8%増しの年給820万円とし、さらに09年に6%足して£41,500. /872万円にアップしようという、けっこうな額をしめした。それなのに組合は蹴ったのですな。もっと出せ、と。いま石油業界は部門によって差はあるお金がだぶつくほどあるといえ、それにつけ込んで分け前よこせという態度は反社会的ではないか。 ●物価高のノルウェー事情 当地ノルウェーで今月初めに一週間以上大半の飛行場を閉鎖させてしまった空港職員の賃上げストも、彼らの平均年収は700〜800万円だった。この額は当地の基準で低所得者層ではない。何が不満なのか、賃下げして懲らしめてやりたいくらい。ところで当地のガソリン代はただいま1リットル270円。抗議は弱くは300円台に乗るまで抗議運動はないだろう。各国のガソリン代比較を話していたイギリス番組でダントツのノルウェー価格をSpectacularと唸っていたな。近々、CNNが「世界一物価の高いオスロでビジネス」という特番を始めます。どういう評価が出るかチェックしよう。(了)
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