安達正興のハード@コラム
Masaoki Adachi/安達正興


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オバマ、AIPAC発言を婉曲に撤回
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〈 2008年 6月 7日 土曜日 )


●さようならヒラリー
今日、ヒラリーが選挙戦締めくくりのスピーチをおこなう。支持者にお礼と別れ、民主党オバマ大統領を支援を頼み、今後ヒラリーはどうするのか将来の心づもりについても話さなければならない。

過去、敗北宣言で印象に残ったといえば、ジョン・ケリーは負けても言葉は勝者の如く堂々と挑戦的で、ちっとも同情を誘わない。この人が選ばれなくてよかったとつくづく思う敗北宣言だった。アル・ゴアは楽天的に短かく、今後の計画が白紙であっけからんとした感じ。ヒラリーは一段手前の予備選での敗北撤退にもかかわらず、まことに複雑な心境、心の葛藤があろう。

●話をかさねるオバマとヒラリー
そのスピーチを前に6日、オバマとヒラリーが密談した。メディアはクリントンのワシントン邸宅を張っていたが、共通の友人である議員さんの家であったという。でも、会談の内容は薮のなか。民主党支持者の55%が望む世論調査が出たドリーム・チケットはオバマ側もヒラリーも望まないという薮のなかの噂さらしい。もうひとつの想像はオバマ側が3人の副大統領選出委員にキャロライン・ケネディを入れた。クリントン家とケネディ家の絆を破ってオバマ支持に移ったケネディ上院議員へのお返しだろう。だがヒラリーとしてはあんな子供に私の適正をどうこう審査されるなどまっぴら、だからその気をなくしたというもの。なるほどあり得ますね。

ヒラリ−母さんの応援にプラスしたチェルシーをオバマの選挙運動に抜擢してはどうかというさるキャスターの意見もある。うわさはこれくらいにしておこう。

●オバマのAIPAC発言と波紋
さて先回イスラエルロビイストAIPAC(米・イスラエル公共問題委員会)の年次総会におけるオバマ演説は、論議を呼ぶと期待したほどでもなかったが、上級紙の論評がいくつかと、CNNのキャンディー・クロウリーがこの件で対面インタビューを行い、かなり食い下がった。オバマは大集会でヴィジョンを訴えるのは得意だが、記者さんは好きではない。最近オバマの行く所SPが張り付いていて記者を寄せ付けないようにしている。

このインタビューでも突っ込まれると、なにやら繕ってテーマをはぐらかしてしまう。すこし例を引こう。イラクに関して早急に撤退日をイラク政府に通告して注意深く実行するというのがある。その注意深くとは何ぞやというと、米兵の安全がおびやかされないことと、イラク治安軍の強化という。なんだ、ブッシュが開戦以来苦労している2点じゃないか。ペトレイアス司令官の実績を讃え意見を尊重するなど、厳然たる事実には批判をひかえる。

オバマはかねがねパレスイチナ問題にイスラエルがもっと妥協するようと発言、但しAIPACや、イスラエル系市民の集会のときには親イスラエルの演説をする。今回はAIPAC年次総会のワシントン会場であり、先の月曜日にはマケインがここでオバマの中東政策批判と、自身をイスラエルの味方と印象づけた。そのためだろう、オバマはマケイン批判に対し、親イスラエルを強調するあまり『エルサレムはイスラエルにのみ帰属』と言う発言に至ったとおもわれる。

●アッバス、オバマは無知と反論
この発言はすぐにアッバスが唾棄するように反論:"This statement is totally rejected,. The whole world knows that holy Jerusalem was occupied in 1967, and we will not accept a Palestinian state without having Jerusalem as the capital of a Palestinian state." でもって昨日、C.クロウリーのインタビューで突っ込まれるとオバマは発言をごにょごにょと要領を得ないやりかたで、エルサレムは交渉の課題と修正した。

やはり訪米中だったオルメトがこのAIPACでイランが核計画をやめないなら武力攻撃をおこなう、とちょっと物議をかもした発言がありましたが、オバマが同調して米も武力攻撃を辞さないと踏み出した。そりゃユダヤロビーの集会ですから聴衆は大喜びですが、アフマディネジャフと会って話をつけるというタンカはどうなりましたか。こたえは場が整えば当然会うのがステッップ1、次にダメならあらゆる経済制裁を行う。それでもだめなら核施設を武力で破壊するという。なんだブッシュのやり方とどこが違うの?

●はぐらかしレトリック
イランの正規軍ではなく正規軍より権威がある革命軍のテロリスト認定を拒否した経歴のあるオバマは、その理由をブッシュにイラン攻撃の口実を与えないためと逃げた。イランを攻撃するとAIPACで息巻いたのではなかったか、辻褄があわない。

最後にもうひとつ、国旗掲揚には政治家たるもの敬礼、または胸に手をおき国家への忠信を表明する。ところがオバマだけ前に両手を組んでいる写真がある。また胸に国旗のバッジをつけるのは日本の議員さんが菊のバッジをつけるのと同じで男性なら義務に準じる習慣である。大統領予備選が始まった頃。オバマはなぜバッジをつけないかと聞かれて、愛国心は心の中につけている。と、いつもこの調子で逃げる。そしてしばらしてからちゃんとつけているのだ。コスっからい。(了)



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