安達正興のハード@コラム
Masaoki Adachi/安達正興


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ベルゲンの本格日本庭園(2)
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〈 2008年 5月 26日 月曜日 )


文を続けます。

● 池を石庭に変更
液状になっては庭園の土質に異変がおこる。池にすべきではない。また当地のこどもたちは自由奔放というか外で遊ぶのが好きである。言い換えればお行儀がよくない。水が好きだから池で遊んでいて事故がおこると大学樹木園に責任が及ぶ。ということで工事は水を通さないプラスチック布を敷き詰め、つなぎ目を融接し、30cmの水を張って水仙を植える。手前のひろい場所は真っ白な石(アノサイト)を敷き詰め苔芝と石を配して水面と島々を表現する和風の石庭が完成した。

●開放的な構成
庭の構成は前回の入り口から、春日石灯籠。木道。小さな五重の石塔。桜・関山。竹林、日本から運んだ竹が根付くか。低木園。京都苔寺に感銘したヨルゲンセン教授が力説する苔庭、雨の多いベルゲンの陰の斜面に苔むしつつある。瞑想の丘から知泉-枯山水を経て石庭につづく石による流れ、アヤメの庭、5月に完成した峠の茶屋風のオープンな茶屋。この茶屋は日本から来た4人の大工さんとノルウェー人大工さんが協力して伝統和風木組みで建ち上げた。要所に木釘を使う。日本から運んだ檜材使われていますが、横浜の税関で防腐処理されたため色がついてしまいました。屋根が銅板の緑青を表わす色なのですが素地はアルミニウムの日本製で、個人的にはしっくりせずチープな感じ。

写真上左から導入部のサクラ。湿地木道の杭打ち、木道は道路と同じ高さだが10m近い木柱を打ち込む.アヤメを観ながら光琳の「杜若」のよう、遠くに石塔。石橋と灯籠を配した枯山水、子供はしようがないが、大人は歩かないでくださいとの由。導入部の石灯籠、型は春日灯籠だそうです。茶屋の前で挨拶の造園家・小林氏と通訳のオーゲさん。建築家のオーゲさんは当初から小林氏のコミュニケーターとして関与、ご苦労様でした。
なお、工事中の写真などは樹木園のサイトから転用しました。(了)



Pnorama Box制作委員会

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