安達正興のハード@コラム
Masaoki Adachi/安達正興


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ベルゲンの本格日本庭園
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〈 2008年 5月 24日 土曜日 )


● 日本庭園、遂に完工
ベルゲン郊外にある樹木園「アルボレーテ」のこのほど日本庭園が公式にオープンした。4年間、関係者の地道な苦労が実って21日に開会式が行われ、100人以上の参観者は庭園設計者の小林氏の案内でひろい庭園を一巡する。樹木園はミルデという市内から25kmほど離れたフィヨルドに面する起伏のある丘にあり、その一部が、といっても広大だが日本庭園に生まれ変わった。

●お助けマンMrトロン・モーン
資金は日本のEXPO基金とベルゲン大学が拠出して着工したが、資金難はめにみえている。そんなときにポンとお金を出してくれるご老体がいたのですな。船主のトロン・モーンさんです。理由は日本庭園がすきなだけ。開会式にも熱心に説明を聞いておられた。

開会式にはベルゲン側の推進者ヨルゲンセン教授や山口大使ほか多くの挨拶があったが、資金の約8割、1億4千万を寄付した主は挨拶しない。金は出しても口はださないタニマチ筋とフィラントロープっていいですね。


着物姿であでやかに、ベルゲン在住の仲間です。

これは前の斎賀冨美子大使(現ICC判事、写真の石碑文字は氏の書)に伺った内輪ばなしです。「パーティーの席でモーンさんが『例の日本庭園はどうなってますか』と仰るのでそれが資金難で困ってるんですよと言ったら『いくら足らないの』、で、これこれくらいかなって。そしたら『出したげるからヨルゲンセンに連絡しといて』と言ったのよ。

●見て回ろう
さて、庭園はなかなかひろく、京都の料亭にあるような竹垣の入り口(写真)を入ると八重桜の関山がまだひょろひょろですが花をつけていました。春日石灯籠がある。新品だからでしょうか、緊密な御影石はどこか人工的で、最近園芸ショップでも売っている成形かと、人に言われていえいえ、日本から送るとき箱詰めが大変で、起重機で立ち上げたのです。本物のハズですといいながらよく見るとやはり日本の石でした。

アヤメの湿地を折れて縫う木道は上等である。小林氏はこの湿地が気に入って計画したのだが、実は、私有地で隣の牧場の境でした。幸い樹木園が買い取れたのでラッキーだった。ま、ついていなかったのは石庭でここに池をつくるという。造園工事を請け負っていた土建業者が調査すると8メートルの深さまで粘土質でこのうえに水を張るとクイックサンドのように液状になることがわかった。(続く)



Pnorama Box制作委員会

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