安達正興のハード@コラム
Masaoki Adachi/安達正興


-------- ----------------------------------
国際支援を拒むミャンマーの将軍たち
------------------------------------------
〈 2008年 5月 18日 日曜日 )


●ミャンマー軍政を追認したASEAN諸国家
ミャンマー軍政は5月2日に台風被害が発生して以来、ごく少数の国連と独立支援組織のチームに国内活動をゆるしたほか、このほどタイとインドの医療チーム を受け入れたものの国際支援はおく遅々として進まず、2週間をこえてまだ各国の支援を事実上拒否している。救援隊は受け入れず物資だけ没収したかたちだ。 で、これをTV写りのよい軽い被災地や病院を軍幹部が慰問し支援物資を与える宣伝映像に利用するからタチがわるい。死亡者が公認78,000人を超え、公 認の行方不明者が56,000人というのに被災者を放置できる国がいまの世界にあるのですね。

ミャンマーならありそうだと経済制裁を課してきたのはアメリカと、少し緩やか目に従ったEUだけである。日本はミャンマーの軍事政権がASEANに加盟で きるよう一役買っているくらいで、経済界はス・チーさんを毛虫扱いしてきた。着実に発展途上にあり安定しているミャンマーにス・チーさんはもう必要ないと いう。だもんで気の弱いわたしは最近ミャンマーの民主化促進を書かなくなったのですが、軍政支援につながるような商魂はよくありませんと言っておこう。

●英仏が非人道的軍政を非難
さて、国際救援を拒否するミャンマー軍政をクシュネル仏外相が『人道上の犯罪』と公式に非難の口火を切りました。続いて17日、ブラウン英首相が 軍政を『非人道的軍政により災害は人為的に拡大した』と非難、そろそろ支援側の忍耐が限界にきたようだ。

明日、 OCHAのホームズ国連次長や日本から外務副大臣がヤンゴンにはいる。だが実力者タン・シェン将軍は表に出ないのが慣例で、この国との交渉を難しくしてい る。また19日にはASEAN緊急会議が開かれ、でミャンマーに国際支援の受け入れを圧力が本格になってきた。どうなりますか、被災者には亀のあゆみくら いに受け入れ速度をしぶるでしょう。

イラワディ沖には支援物資を満載したフランス海軍の補給船と、おなじく米の航空母艦エセックスが支援物資と救援隊を乗せたまま足止めを食って待機してい る。救援隊はインド洋津波やバングラデッシュの水害救援のどの経験をもつタスク・フォースである。つかわない手はないのだが。(了)



Pnorama Box制作委員会

ひとこと言いたいなんでも・掲示板へ
筆者へのmailはこちらまで
HOMEへ戻る