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四川省大地震
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〈 2008年 5月 13日 火曜日 )
●地震は忘れた頃やってくる
中国四川省で発生したM7.9の巨大地震の被害状況が刻々と伝えられる。震源は深度9000m、幸いにして直下型ではなかったものの、浅発地震の範囲にはいる。北京で揺れ、上海で揺れ、東京まで感じた。発生後4時間でM4.0−6.0の余震が7つあり、これで一応収束したとおもわれる。 本日は地質と地震について門前の小僧的知識ではありますが、ウンチクです。 かって20年くらい前か、中国では余震兆候から地震予報を出しピタリと当たったことがある。ウンがよかった。中国が世界にさきがけて成功し世界の学者が中国の地震学会に詣でたほどでした。で、地震予知に遅れまじと日本政府は予知学会を発足させ巨額を注ぎ込んだのですが、なんですか、その後、南勢・十勝沖・神戸地震などなどすべて虚をつかれ、たったの一度も地震予知に成功していない。もちろん中国も以後成功は皆無、地震によっては予知できるタイプもあるが、大地震の正確な予知は不可能なのです。 ●四川省地震のメカニズム さて、日本列島の内陸下では過去一度もM8が起こったことがなく、このクラスは海溝型、つまりプレートが衝突して地殻が崩れるプレート型地震である。中国大陸はユーラシアプレートにどっかと乗っており、地震が起きる場所は大まかにインドプレートとユーラシアプレートがぶつかって押し負けする中国側で崩れて地震になる。だから押し勝つ方のインド側では地震が殆どない。 今回の四川省大地震は、チベット高原/コンロン山脈北東部が四川盆地の南西の縁を突き押し乗り上げる格好で逆断層を引き起こした結果である。3月にコンロン山脈でM7.2があり、このあたりのテンションが一段落したので北東に移ったとも考えられる。今回はLongmenshan断層と呼ばれる前科がいろいろある断層で、この断層帯で1933年にM7,5の地震記録がある。また、過去この断層帯に沿っておきた202のローカル地震データをもとにして、97年に東海大学の先生(長谷川、堀内)と中国地震観測所の先生が共同でこの『ロンメンシャン断層の地殻構造と震源決定』というテーマでレポートを発表しておられる。 その他の話題: 今日。火曜日は米予備選の日、ウェストバージニアはクリントンがボロ勝ちする予想。とはいえ代議員数が少ない州なので、実勢かわらず。 ダライ・ラマの予定通り欧州訪問にブラウンは直談を避けてカンタベリー大主教公邸でL・ウィリアムズほかの宗教者も交えて会う形に変えた。ドイツのメラケルは会わないことにした。ハアー、世知辛いことで。中国の機嫌をそこなう行動がどうなるかは小泉さんが証明済みであります。そのうえ胡錦濤に平謝りしたサルコジの轍を踏みたくないわな。(了)
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