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ヒラリーの終わり泣き戦い
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〈 2008年 5月 9日 金曜日 )
●天変地異にも動じないオバマ支持者
米予備選の開票をライブで見てきたが、6日は所用で初めてパス。身辺の悪い材料にオバマも勢いがストップかと思っていたら、オバマニアたちには全然影響していない。オバマに失点が出ようが、理由あって攻撃されようが「オバマ」を見捨てない支持者がたくさんいるのですね。黒人の91%がオバマ支持という実体がそのことを如実に示している。2番目に、ヒラリーの支持層であった低所得白人労働者をオバマが食い込んできた。 オバマが20年来師事してきたライト牧師が過激な人種論で物議をかもし、怒ったオバマに抱腹絶倒の集会プリーチでお返ししました。このダイジェストビデオを見ると説教師ライトがなぜ人気者かなるほど納得できる。で、ライト師は20年来この手の説教で人気を博し、主張はかわっていないのです。それなのにオバマが自分の考え方、意見と全く異なる、大変迷惑だと拒絶したが20年のつきあいでしょ。いまさらって感じがするのですが、オバマニアたちには「ライト牧師への反論が素晴らしかった」となる。もう手がつけられないわ。 「低所得労働者は酒と宗教に溺れる」と漏らしたオバマの失言/ホンネは常識的に考えれば言われた当該者は反撥するだろう。ヒラリーの言うように真面目にもくもくと働き、倹約して家族を養う労働者ばかりではないだろうが、オバマ失言で落とす票が少なくないだろうとの予想もみごとにはずれました。8ポイントぐらいの差でインディアナを征するとおもわれていたヒラリーがたった2ポイントの辛勝におわった。オバマに鞍替えした白人労働者層がいるわけだ。 ●クリントン、金の切れ目がないばっかりに 一方、負けが込んだクリントンは、集まりかけた選挙資金がもう途絶えるだろうう。この一ヶ月で640万ドルの自費を貸し出ししているうえ、最後まで続ける資金があるのか。なければオシマイ。それがあるのですね。ヒラリーはもっと出すと言いました。夫のビルは大統領を辞めてから講演や、自伝出版、コンサルタントなどで収入がケタ違いに膨らんだ。ヒラリーは全部吸い取ってでも戦い続ける覚悟、弱みを握られたダンナの悲劇か。表向きは七転八起をモットーにするビルが、挫けないファイター・ヒラリーの後押ししていることになっている。一面真実だろうが夫婦の事情ばかりはわかりません。 ヒラリ−は6日の両州で白人の約60パーセントの票を得た。オバマより人種、職種、老弱などに幅広く支持があるwider appealというのがヒラリーの続行理由である。が、オバマ側も同じことをいってますな。オバマ陣営は5月20日の予備選後に獲得代議員の差を示して指名確定を要求し、クリントン退陣をせまる構え。 さて、オバマが民主党指名をえるとしょう。するとマケイン対オバマ、こちらはオバマとヒラリーの政策的には似た者同士の論争より、もっともっと際立った理念、思想の違いから、年齢、経歴、などなど対照が激烈である。クリントンとオバマの指名争いがアメリカ社会を引き裂いたとしたら、マケインとオバマの戦いではアメリカが見えてくるのではないか。興味深い。(了)
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