安達正興のハード@コラム
Masaoki Adachi/安達正興


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くすぶる聖火の残り火
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〈 2008年 5月 1日 木曜日 )


4月30日、義母の葬儀を終える。長女である家内が仕切っているのでわたしのすることはない。疲れるほどではないが気分的に区切りをつけるのはスパっといかないもので、けだるく、脱力感あり。当地は明日から連休入りで、このコラムをアップしていただいている森本さんは家族サービスでお休みになります。脱力感回復にはちょうどよい。本日は北京オリンピックまで100日となった中国について、おもいつくままです。

●サルコジ、中国に折れる
サルコジ仏大統領は中国にねじ伏せられました。チベットやダルフールなど中国の人権侵害に食ってかかったのはフランス政府というよりサルコジ大統領とクシュネル外相の主導でした。日本も含め米・英・独・伊など世界のリーダーは中国批判を控え気味にしている。もちろん経済面での報復をおそれているからで、向こうっ気の強いサルコジさんはナイーブでありました。昨年大型経済ミッションを連れて訪中、エアバスと原発施設の大きな商談をまとめたサルコジさんはこれら契約の破棄をチラツカされて出ばなをくじかれた。特使を3人も派遣して反中騒動を陳謝したうえ、チベットは中国の領土を確認し台湾政策を支持すると、要するに叱られて謝ったわけだ。

中国でのフランス系スーパーに対するボイコットや反仏キャンペーンに直面してサルコジはすっかり腰が引けた対応しかとれなかった。これじゃ支持率が急落するのもあたりまえ、対中強硬スタンスで知られる旧敵のロアイヤルが次期大統領選に再度挑戦すると出直し宣言にチャンスを与えた。

当地ノルウェーのストルテンベルグ首相は中国オリンピックの成功を期待すると、当所からチベット問題にも生温い。これは中国側から技術移転ほか大きな買い付けの長期契約があり、案の定、反中など起そうものなら契約は見直さなければならないと中国大使から申し入れがあった。この大使はメディアでもさように広言している。

● 火がついた韓国の反中
聖火リレーの応援に参集した中国人留学生はチベット支援者を上回り、暴力を振るったことで反中感情が収まらないようだ。米とカナだの抗議者4人が殴られたニュースは聞いていたが、韓国市民が被害になれば、血気さかんな韓国人ですからうやむやにはできないでしょう。日本にとっては何も出来ない対岸の火であります。参考のためにもゆっくり顛末を見物しましょう。

● 北京市が一部の公共禁煙をスタート
くわえタボコで仕事する中国人、歩きながら吸うわ、処構わずポイ捨てする中国人という印象があり、毛沢東、周恩来、トウ小平などの立っている肖像画はタバコを指に挟んでいるのが多い。あれはステイタツシンボルであった。現在、中国の喫煙者は3億5千万人、世界喫煙人口の3人に一人が中国人という。

木曜日から北京市が公立の建物での禁煙を実施する。但し、レストラン・バーでは反対が強く、席を区切るよう勧告するに留まった。タバコ画健康を害するとか、死亡率が高くなるなんてのは中国政府に関心があるとおもえない。この措置はオリンピック用にクリーンな北京のイメージ作りである。(了)



Pnorama Box制作委員会

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