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空爆されたシリア核施設の映像
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〈 2008年 4月 25日 金曜日 )
●公開された真相映像
イスラエルがシリアの核施設を空爆したのは昨年9月のはじめ、24日その爆撃の前と後の驚愕の写真映像が公表された。今年いちばんビックリしたニュースです。 イスラエルがシリアの完成近い核施設を、どこにあるかを明かさず戦闘機で爆破してすぐ戻ったニュースは、その後イスラエルと、空爆するよう仕向けたアメリカが詳細を語らず、空爆されたシリアはおざなりに抗議しただけで報復をとなえなかった。奇妙です。独立国が空爆の奇襲を受けて、それで国連にすら訴えず黙っているのはよほど空爆される理由があるからだろう。小生はその程度におもっていた。今気がついたのですが、シリアはIAEAに核施設を報告していない。そのため国連に持ち出せなかったのだ。 爆破後に残った施設をシリアが跡形もなく更地にした衛星写真は、シリアが隠蔽したい建物であったからとわかる。シリア政府の公式反論はいづれ出るとして、シリアの国連大使は「哀しきお芝居 (pathetic charade)、イラクがMDWを隠し持っていたと広言したウソと同じねつ造」と反論しているが、どうも犬の遠吠えに聞こえる。 ●信用できるCIAビデオ 「シリアは北朝鮮の技術支援で建設した」とする米の非難は、シリア=北朝鮮の両国から一笑され、また6カ国協議でも北は根拠のない言いがかりと撥ね付けてきた。だが今回ヴィデオにまとめられた説明は、北朝鮮の核技術輸出疑惑を納得させる写真がある。爆破前の原子炉建物がプルトニウムを生産した寧辺の建物と類似性があり、遠心分離機を並べる構造も似ている。シリア核開発の責任者と北朝鮮の技術者という写真もあった。編集された役所の動画はしばしばマユツバものだが、そうでないものもある。このCIA,NSCが作成したビデオは、地上で撮影した静止写真とつきあわせて信憑性がたかい。 昨年、共和党議員のごく一部に説明されたという。それが7ヶ月も経ったいま、上下両院の外交・軍事・情報特別委員会に対し、秘密公聴会をおこなった理由は公表されたビデオの解説から明らかなように、行き詰まりの6カ国協議を打開するためである。ブッシュは北に認めさせて早く手打ちにしたいのだ。この動画は12分、音声の説明がわかりやすい。 http://www.cbsnews.com/stories/2008/04/24/national/main4040170.shtml 上記特別委員会の議員たちやIAEAのエルバラダイは7ヶ月以上もツンボ桟敷にされておもしろくない。文句はあろう。ぜひとも秘密にしておく必要はなかった、と思う。(了) 記: 義理の母はあのコラムを書いてから6時間後、23日早朝に息をひきとりました刺繍のあるクリ−ム色のブラウスを着て端正な顔でした。夕方、近くの家族だけ20人ほどが集まって、介護ホームのチャペルで蓋棺の礼拝をおこなう。葬儀は来週の水曜日。
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