安達正興のハード@コラム
Masaoki Adachi/安達正興


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渡辺嘉美『アメリカは日本の金融危機から学べ』
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〈 2008年 3月 24日 月曜日 )


●US can lerarn from Japan's crisis
アメリカは日本の危機から学べ。渡辺喜美金融担当相が90年代空白の10年を経験した日本の教訓に学べ、という趣旨で「米金融機関の救済に公的資金を注入すべき」と英FT記者に語った。日本語ロイターと英FTのサイト:
http://jp.reuters.com/article/businessNews/idJPJAPAN-30957220080324
http://www.ft.com/cms/s/0/18972048-f90b-11dc-bcf3-000077b07658.html?nclick_check=1


●悲観的なクルーグマン
米サプライム・モーゲジローンに発する信用収縮の先行きについて、ポール・クルーグマンがこのところ立て続けに悲観的なコラムをNYTに寄稿している。「公的資金を注入を急げ、規模として1929年大恐慌の再現である」と、ポールソン財務長官とバーナンキにハッパをかけ、ベア・スターン破産よりもっとでかいのが起こると警告しています。クルーグマンがここまで悲観的な分析をしたことはなかったようにおもう。以下、クルーグマンのコラム数編からランダムに抜粋したり、他のソースから書いてみます。

日本の不良債権処理で、政府が注ぎ込んだ額(国民の税金)はGDPの20%、3兆ドル。アメリカが80年代の銀行危機と整理統合に注入した税金は3.2%の45億ドルだった。日本では不良債権を買い取ってその資産を民間にように売り出す整理回収機構がつくられた。その手本は80年代の米銀行危機で米政府が設立した整理信託公社(Resolution Trust Corporation)である。

●投資会社は慈善事業ではないが……
Fedはすでに公的資金での補償をベア・スターンズに与えている。ベアのような怪しげな債券を扱う投資銀行は慈善事業じゃないんだから公的資金で救済するなどとんでもない。しかし他の金融界へ波及すればもっと悪くなるなら仕方ないですね。結局JPモーガン・チェイスが30分の1の価格で買収した。バナナの叩き売りでもそう安くはならない。投資家が一斉に逃げ出したベアは資金繰り絶望だったとわかる。

破産したイギリスのノーザン・ロック銀行の場合は預金引き出しの顧客が行列し、一目瞭然の取り付け騒ぎだった。いま、英財務証が暫定経営、いわば国が買い上げて民間引取先を探している状態です。ドイツはまだ実際に公的資金を使っていないが、準備はできている。

世界の経済アナリストはもちろん日本の不良債権処理を研究し、クル−グマンは日本のバブル崩壊をいち早く警告した経済学者/評論家でした。渡辺ミッチーさんの意見は日本人としての発信に価値があります。

2000年代から金融システムはたこ足配線式に複雑になり監督官庁が管理できなくなった。金融システムを監理下に取り戻すことが肝要。さもないと最悪の景気低迷が数十年続くだろう(surely the worst slump weユve seen in decades)。(了)



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