安達正興のハード@コラム
Masaoki Adachi/安達正興


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民主党予備選と人種差別金
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〈 2008年 3月 16日 日曜日 )


●オバマ陣営から放逐されたライト牧師
オバマはシカゴ最大の「三位一体合同キリスト教会」に17年所属している。この教会の前牧師で説教師であるライト(Jeremiah A. Wright Jr.)が過激な人種論を説教したことが物議をかもし、オバマ陣営が主催する集会から外された。

問題の説教のサワリはこうである:"Racism is how this country was founded and how this country was run. . . . We believe in white supremacy and black inferiority and believe it more than we believe in God."『人種差別こそはこの建国の基礎でありこの国を動かしている...われわれは白人が優性で黒人は劣等だを信じ、それを神を信じるより強く信じている』

正直ではないか、これが黒人マジョリティーの理解だ。情けないアフロアメリカンを叱りつけるという文脈ではあるが、しかしこれだけ過激な発言は勇気がいります。大公衆にむかってシラフでは言えません。それで恍惚調説教になるわけでして、壇上から降りるとフツウの牧師になる。ですから驚くにあたらないのですが、不慣れなよそ者がこの映像を見ると、とてもついていけない恐怖がはしるでしょう。

問題の説教は2006年のものです。他にも2001年9/11の直後に「われわれはパレスチナ人や南ア黒人に対する(米の)国家テロをサポートした。そのしっぺ返しがいま我が国の前庭に帰ってきたのだ。アメリカが育てたヒヨコはねぐらに帰ってきた」、と中東の意見に組した。

米大統領候補は過去のすべてをあら探しされ、試練に耐えるネバリを審査される。とすれば過酷な予備選プロセスも悪くないかと。だがまてよ、あら探しを肯定するわけにはまいらぬ。正論は政策討論で賛否を問うべきではないか。とはいえ一言付け加えるとオバマは自著Dreams from My Fatherでこの牧師を「大変影響を受けた叔父さんのような相談相手」と書いている。ミシェルとの結婚式の司祭であり、二人の子供の洗礼式もこのライト牧師が司式した。オバマがライトの説教に感応したであろうことはオバマの霊感的スピーチにあらわれている。

一度、ヒラリーが支援者集会で霊感オバマスピーチをモノマネして笑わせましたが、会場はおつきあいで笑った程度。へたクソで似合わないマネはよしたがいい。ヒラリーは理知がトゲ立ち、説教師の恍惚スピーチに感応しないタイプ。その方が安全ではあるが、別の見方をするとノリの悪い女であります。

● ヒラリーの財政委員、ファラロ辞任
Msファラロはかってどなたかの副大統領候補であったお金に困らない人、ヒラリーの財政アドバイザーは無料奉仕でした。オバマ陣営の外交アドバイザーであったMsパワーはハーバードを一時休職してつき合っていたので有給でした。失礼、お金の件じゃなくて人種差別発言のことでした。ファラロ曰く:『バラク・オバマが黒人でなかったらWHレースに一歩先んじることはなかっただろう』

鋭いご意見、ズバリですな。オバマは黒人でトクしてるという意見が、どうして人種差別なのか。一般的にブラックアメリカンが有利であると言う主張ではない。オバマ現象の支持層は絶対的に黒人層であり、中西部、南部で黒人層の得票があるから躍進してオバマ旋風がおきているのである。投票層の分析は詳細におこなわれ、グラフに示されているが、分析結果から「オバマが黒人でなかったら」という仮定から演繹した見解をズバリ口にしたのはファロンが初めて。コメントはリアリティーを映している事実である。

この選挙ほど人種と階層による票のグル―プ化が顕著になった例はない。オバマは民主も共和もない、黒も白もない、ひとつのアメリカがあるだけだ、と高らかにスピーチするが、実際はいくつものアメリカに引き裂いた。

Msパワー、Msファラロ、Rev.ライト、各氏はの発言は正鵠を突いている。選挙がらみのミスマッチで失言となり選アドバイザーを去ったが、モノの見方を大いに教えられた。ところで無罪判決の後で『かならずしも冤罪とはいえない』と申された瑞穂の国の法務大臣がまだその任にある。Oh my God!



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