安達正興のハード@コラム
Masaoki Adachi/安達正興


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金=1000ドル、石油=110ドル
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〈 2008年 3月 14日 金曜日 )


●日銀総裁
日銀総裁人事が宙に浮いたまま、じゃつなぎ法案で……。そんな状況でも日本の金融界はあまり危機感がないようにおもえる。これは日本経済がまあまあで健康な姿なのか、小生は宙ぶらりん。されども世界の中央銀行総裁はクレディット・クランチのいま、休み返上で互いに協調対策を相談しているというのに、日本は春眠をむさぼるダラシない国でいいのですかね。円高ただいま1ドル=100円ですよ。石油111ドル、金は1000ドルでございます。ゆっても日本ができることはなにもないけれど、せめて次期中央銀行総裁が誰か、任期切れまでに世界に知らせなきゃなりません。これは国際義務です。

●金=1000ドル
ニクソンが金=ドル交換停止をやってしまう前、1971年までは金1トロイオンス(約31g)=35ドルにペッグされていた。すぐオイルショックがあって200ドルにいっぺんに4倍余り上昇し。あれしきでたまげた頃がなつかしい。それが昨日、1000ドルの大台につけました。37年で2857%のインフレ。

余談: オイルショックのときパニック陥った日本の石油ビジュネス戦士たちが中東産油国との商談で手玉にとられて吹っかけられるままの買っていましたっけ。あのころに比べると日本商社マンは実力をつけました。ガンバってくださいまし。

経済の基礎知識がないわたしの市民感覚では、金やレアメタルが高騰するのは当たり前風にドルの信用が落ちたからである。一途に米の経済疲弊が原因だ。ニクソンショックはベトナム戦出費が米経済を蝕んだときです。アフガンやイラクへ攻め入ったときのように、黒字があって戦争を始める際には金価格に影響しない。今回のゴールド・ハイはイラク戦費による財政大赤字とサプライム問題が複合した結果とみる。イラクが終わるまで米景気は回復しないと何度も書いてきた持論です。

●石油=110ドル
石油値上げでボロ儲けしている中東産油国とロシアがいま金を買い込んでいて、ゴールドラッシュですな。これが金市場の値を余計に釣り上げている。中国も何ゆえか余剰外貨をせっせと金塊に換えています。

石油が上がると、あらゆるコモディティーを押し上げる。ちかごろ経済欄に良く目にするCOMMODITYとは何ぞや、生活に欠かせない一次産物、つまり先物取引きされて金融市場に数字として出るコーヒや大豆ほか農産物やエネルギー資源、鉱物資源をささすようだ。消費者へはスーパーに出る食品やトイレットペーパー、ガソリン代に、ややタイムラグをおいて後に実感されます。このタイムラグは先進国ほど効率化が進んでいて最終商品の値上げをある程度吸収でき、かつ、日欧はドル安(昨年より20%以上)のため、値上がり幅は当地で数パーセントである。石油生産は充分間にあっているので、石油高騰がこのまま続くことはないとしても、日本のみなさま、今夏の冷房代にハッキリあらわれ、年末のボーナスは望めませんぞ!

では、潤っている石油企業が将来に備えて代替エネルギーの開発に熱心であるかというと、とんでもない。宣伝イメージに騙されてはいけない。実体は油層探しに湯水のごとく資金を回しています。そうでしょう、110ドル/bで売れるなら採油が困難な北極海でもペイしますから。また原油を囲み閉ざしている地層(貯留岩)が厚くて硬い、海底では技術と資金があっても従来は経済的にペイせず、ツバをつけたまま放置してあったところを本格的に開発しています。(了)



Pnorama Box制作委員会

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