●イースターちかづくこのごろ
今年のイースター（復活祭）は23日、当地では20日（木）の洗礼祭から連休に入るます。しだいしだいに日照時間が長くなり新聞広告は春のモードでいっぱい。黄色のヒヨコと黄色の水仙がショーウインドウに飾られ、イースターの気分です。日曜の夕べは家内と中央教会の復活祭コンサートへ、グノーを聞く。「聖チェチーリエのための荘厳ミサ,　Messe solennelle de sainte ceilie」。美しい。グノーはガンガンしないので心地よい。オケ、合唱団、独唱者みなさんいい感じで荘厳にならずに楽しめました。

外へ出ると雨が横殴りにふりかかる。明日はイギリス西岸に強風雨が満ち潮時に吹きつけるとかで土嚢積みしているそうです。アメリカ中西部の豪雪、ロシアのサハリン沖氷上にいた漁民7百数十人が陸の氷と分離漂流するハメに。氷の上で大勢の漁師たちがいったおどういう漁法があるのか、穴を開けて釣るのでしょうか。全員がヘリとボートで救助された。気候の過激化が毎日どこかで起こっている。地震や風雪害がなく、四季があって温暖な土地はがどこかにないやろか、と春眠に考える。

●スペインはサパテロが続投
サパテロ首相の社会党は4年前の列車テロで保守政権が対応を失敗、イラク即時撤兵を訴えて当選した。今回はお陀仏とおもいきや、金曜に社会党議員が分離独立派エタのテロで射殺され、投票日まで選挙活動を停止した。サパテロ社会党に同情票が回ったとおもう。その分で辛うじて与党の地位を守った。ウンのいい人だ。しかし、極左、極右や小政党が一段とよわまり、社会党vs保守党の２大政党システムができたのはきっと良い傾向なのでしょう。

欧州で最も伸びたスペイン経済はここにきて住宅バブルがはじけグルーミーである。破産売りの物件がならんでいる。未完の団地、完成したが入居者がないゴーストタウン、渺々たる風景です。ブッシュにまねた景気対策パッケージを作るらしい。経済、年金など問題山積みで、絶対過半数を獲得できなかったサパテロに試練の二期目がはじまる。

●フランス地方選、サルコジ叩かれる
サルコジUMP党とロワイアル（もはや党首ではないが）の社会党が争った地方選・第一ラウンドはロワイアルが復讐。パリ、リョン、マルセイユ、ストラスブールを社会党がとりそうで、つまり東京、名古屋、大阪、福岡を民主党が制した感じ、自民党動揺の図である。しかし予想ではもっと差がつくと思われていたので、社会党がだらしないのかもしれない。サルコジの活躍は世界の首脳と立て続けになにやら調印しても派手な立ち回りが私的にみえてしまう。また私的にも大っぴらに話題になった。この手の人気は冷めるのも速い。サルコジは大統領就任10ヶ月にして等身大に戻ったといえよう。第２ラウンドは3月16日。

● サルコジはホワイトハウスの厄介者
サルコジの失点は公約した内政が置き去りになっていること、得点は中国、アラブ産油国などに武器とエアバス、原発施設を売りまくった実績と、対米関係を修復したこと。但し対米関係は国民の間でという条件をつけてであって、ホワイトハウスはサルコジの国際出しゃばりを心良くおもっていない。中国やリビアに武器と原発を売ったこともそうだが、前コラムに書いたFARCが拉致して6年になる人質釈放にチャベスと懇ろに相談し、サルコジが送った使者とFARCリーダーのレイエスと直談判させている。レイエスを追っていたCIAの計画を無視したサルコジに米と軋轢があったもよう。結局CIAはコロンビアのウリベとエクアドルに潜むレイエス殺害を綿密に計画しウリベに実行させた。このあたりの内幕ものを探すとあるわあるわなのですが、信用できるものは：
http://www.wsws.org/articles/2008/mar2008/colo-m07.shtml
このレポート/コメントはスゴイ小説のネタがつまっている。チャベスとFARCの南米を舞台に米仏露が絡む拉致解放と暗殺劇ドキュメントです。

なお書き手はBill Van Auken,、よくこの第４インターのサイトに寄稿、2006年のニューヨーク上院選に立候補、ヒラリーに挑戦するも5位でした。ほかにペルーのフジモリ裁判に関するコメント（07.12.13）も実に広く詳しい資料で小説ネタが満載：http://www.wsws.org/articles/2007/dec2007/fuji-d13.shtml
一読おすすめです。（了）