月曜日、コラムがアップされる頃はパキスタン選挙投票中、投票所への自爆攻撃があったり、衝突があるだろうとおもいながら最後のコメントを。先日の投票所テロが強い危険警告となって投票所に赴かない者が増えるか。というようなことと関係なくブットのPPPが同情票を集めて第一党になる。物価高、テロ頻発で生活苦がいっこうによくならない民衆の間でムシャラフの人気は米におけるブッシュより悪い。PPPの首相候補であった長老は覇気がなくてダメなんだなあ、すっかりザルダイが牛耳るようになって、自分が首相になるといいだした。

選挙の結果新政権は？はつらつら次のシナリオを思い浮かべました。ムシャラク敗北を起点に100％私感です。

シナリオ１・野党分裂による少数与党PML-Gの政府／チョードリ首相
悪いことにムシャラフの支持母体であるPML-Qの党首チョードリ（政治的名門部族の出身、罷免された最高裁判官とは別人）がムシャラフを見限ったというか、独自カラーを表わし、もし野党が分裂したままでPML-Qが第一党となれば党首が首相になるべきと言い出した。ムシャラフは日曜の英紙Independentに掲載されたインタビューでPML-Q の過半数勝利が確実と自信をお持ちのようで、たとえ野党が勝っても政権担当能力は疑問を呈した。そして『新首相には父親らしく振る舞う』と次のように言う
“My role as a president is simply the checks and balances, the seatbelts . . . a sort of father figure to the prime minister, but I won’t have to see him for weeks,”　himとは党首チョードリのこと。

シナリオ２・野党連合による政府／ザルダイ首相
PPPが野党第２党のシャリフと連合して文句無しの多数派になれば、ムシャラフは数ヶ月、よくて数年、とても任期いっぱい後５年はもたない。持ちこたえる期間はいまムシャラフに忠実な軍の出方にかかっている。元首相のシャリフはムシャラフの恩赦で助かっていながら、ムシャラフを裁判にかけると公約しているくらいだから。

シナリオ３・与党PML-Qと野党PPPの連立政府／ソオモロ首相続投
一党で過半数を制せず、野党連合が出来なかった場合はこれしかない。しかしこの組み合わせでもムシャラフに打撃となろう。ムシャラフは公明正大な選挙を遂行したために権力基盤をう失う皮肉な顛末になる。いままではムシャラフが一存で首相任命していた。このシナリオがその最後のチャンスとあればそう悪くないかもしれない。

さて、投票結果はテレビや新聞よりラジオ速報をメインにしていて、火曜日中、水曜日には結果がわかる。野党と交渉して、ある程度の役割分担ができても負けは負けだ。

●米、英　憮然
７年間お金を注ぎ込んできたアメリカがこの選挙と選挙結果にできることは殆どない。北西部のタリバンとアルカイダの拡大を防ぐためパキスタン軍への支援はイスラマバード政府が変わっても減らせない。イギリスは民主主義が根付くようにときれいごとですませてきたが、上記三つのシナリオのいづれになっても民主主義など、ヘソが茶を沸かすのであります。

●選挙概要：
下院議席342名のうち268議席を入れ替え選出、地方議員571名
国会議員の候補者は計22252名、女性80名と少数部族10名に割当ワク
うち主な党の公認候補者数　
ブットの人民党 PPP 245
シャリフのムスリム同盟N　PML-N 207
ムシャラフのムスリム同盟Q　PML-Q 198
有権者8010万人、軍、警察、雇用警備員など治安要員81000人。
選挙結果は火曜日夜に大勢が判明、最終結果は水〜木曜日。