安達正興のハード@コラム
Masaoki Adachi/安達正興


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珍妙なオバマの雇用創出案
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〈 2008年 2月 14日 木曜日 )


●連戦連勝のオバマニア
12日のDC,MD,VA3州の結果はごらんのとおりのオバマフィーバーがヒラリーを圧しました。前回のコラムでこの日には代議員数でもヒラリーを抜きさるとあらかじめ書いておいた。諦念騒がず。

次の注目は19日のウイスコンシンですが、昨日ここGMの講堂でオスピーチ。オバマニアの熱気といい、オバマのスピーチは勝ちに乗じて過激になった。クリントン政権とブッシュ政権を含めて「ワシントン政治」のすべてを一段と激しく非難しています。『ビル・クリントンが締結した北米自由貿易協定で景気は悪くなりヒラリーが言うような雇用創出はできなかった』と強い口調で非難し揶揄したり、『マケインとヒラリーのようなワシントン政治家がイラク戦争に賛成、決して認可すべきでなかった戦争、そこでは数千人の貴重な生命と週に数十億ドルを費やした戦争に加担した』。

●珍妙なオバマの雇用創出案
こういうイラク失敗を歓迎する人は多い。反戦・厭戦感情はウイスコンシンのような米北部で特に大受けする。Time is Changing. 珍しく出た経済政策の新アイデアは珍無類です。『インフラ再投資国立銀行』なるものを設立し、10年で600億ドルを投資する。これによって建設分野で200万人の雇用(Yes we can!)が生まれるというものです。公共投資で失業救済するってことじゃないの。で、この計画の財源はイラク戦争を終結することで確保できると、イラク瓢箪からコマみたいなお噺でありました。

上記のオバマ案が出る前にですが、マケインがオバマの希望スピーチをコメントしています。「いづれスペック(個々の政策)に突っ込んだ議論となるが、彼のスピーチはスペックが奇妙に欠落している」“singularly lacking in specifics.”。とはウマい、ネイチブだけにしかできない英語表現ですね。で、昨日出ました上記のオバマ雇用促進スペックをマケインはなんと思うでしょう。

●指名必要代議員数に達しない場合
昨日のヒラリーは最重要の地、ジャイアント州のテキサスで集会。準地元ですからイケそうな感触でしたが、オハイオは落とす予感がする。もしそういう風に進むと両候補とも8月の党大会に指名に必要な代議員数が得られない結果になりますわな。その場合どうなるのか、アンオブライジと呼ばれる特別代議員にはどちらにつくか未定のひとが半数の300人ほどいる。この浮動特別代議員の取り込み競争がはげしくなる。

そういうときにビル・クリントンの選挙元締めで現在は民主党全国委員会議長のウィルヘルム(オハイオ選出)がオバマ支持にまわった。モメンタム、潮目はオバマにあると判断したからでしょう。全国的に結束できしかも募金能力が抜群のオバマとくれば民主党本部の意向は決まりです。政治家の集団なんだから「力と金」に動いてあたりまえ。この議長さんが未定の特別代議員にオバマを支持するよう電話攻勢をかけるそうです。

きょうはこのへんで切り上げて、別の話題:
●ブット殺害の犯人はモスク突入で死亡した友人のカタキ討ちだったという。原理派の目にはベナジール・ブットも体制派である。スコットランドヤードの捜査は一応終わったが、パキスタンではムシャラフ陰謀説が凝り固まっている。どうしょうもない国民だ。
●レバノンのヒズボラ指令塔のムグニヤMughniyehがアパートもろとも爆破され死亡した。この人物は85年のTWA機乗っ取りを皮切りに、ベイルートの米大使館と国連軍基地を爆破、米人300人、フランス落下傘部隊58人を殺害した事件の計画指導者、いわばビン・ラーデンの先輩スジにあたる。(了)



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