安達正興のハード@コラム
Masaoki Adachi/安達正興


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ロムニー、名誉ある撤退
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〈 2008年 2月 8日 金曜日 )


●サプライズ、迫真のスピーチ
TVをつけたらいきなり画面はロムニーが選挙サスペンドの演説をするという。臨時ライブが始まった。ビックリショックで、しばらく、久しぶりにわたし放心状態になりました。

まずロムニーの濃厚なスピーチ、その迫力と重力はみたことがない。はじめからこの調子でキャンンペーンしていたらそうやすやすとアイオワ、ニューハンプシャーを失わなずに滑り出しできたのでは、とおもうほど。撤退の理由をありきたりに言えば、マケインに勝つ見込みがないから活動中止した。ムダな出費をストップし、ミット・ロムニーの名前が汚辱にまみれる前に撤退する、功利的にはそういうことですが、引け際にロムニーが吐露した政治信条がウーム、聞かせます、唸りました。

●憂国の士はスーパー反民主党
それと、撤退の政治的理由、なぜこの人が立候補したか。それはなぜ撤退するかと表裏の関係にあるのですが、ロムニーは民主党には絶対勝たせたくない感情がモノスゴク強い。「民主党の勝利はアメリカの安全を脅かす」、アメリカはいま戦時にあるという認識です。「キャンペーンを続けてテにロ屈服するなんてことはできない」。民主党はテロに屈服する党とはいいましたね。「マケインと指名争いを続けることは民主党に手を貸すことだ」。それはそうですが、接戦だったら争い続けますわな。

理由はほかにも共和党精神に沿ってとか、星条旗よ永遠なれ式の『美しい』言葉もあるのですが、オアバマとヒラリーへ敵対感情にくらべると、マケインへのは批判はピーナッツか。長老政治かでは新しいことは出来ない、とマケインを皮肉っていたが、小異を捨て大義についた憂国のモルモンは、まことに刺激的、挑戦的に撤退したのでありました。名誉を守り名を残し、精神的な切腹ですね。・・てわたし、すぐモルモンと言ってしまうのですが、ロムニーはマサチューセッツ知事の仕事で宗教や利益団体に偏ったことはない。テッド・ケネディ(カトリック)とはウマがあわなかったが。

●マケイン、ロムニー票を貰う
そんなわけで事前にマケインと電話で相談し、支持者にマケインを応援するようアピールした。演説会場は保守本道が集会するCPAC (Conservative Political Action Conference)、保守党政治活動会議とでもいうのか、星条旗が1ダースくらい壇上に並ぶワシントンの会場。これが所変わって旗がみな日の丸だったら機動隊がかけつける雰囲気といえばわかってもらえるだろうか。

ロムニーのあとこのCPAC会場にマケインが演台に立ってロムニーをねぎらい、イッシューを詳しくスピーチ。この集会は保守本道であり、一匹狼だったマケインがスピーチするのは一年ぶりの由。たっぷりマケイン共和党の政治スタンス、政策を聞きました。聴衆はじっと聞く所は聴き、ざわつかない。政治集会はこうあってほしいもの。

余談:△ロムニーは選挙活動をサスペンド、中止したのであって、候補者名簿から消えたのではない。するとこれからマケイン支持のインタビューやスピーチといった活動は行うでしょう。△ブッシュの景気刺激策が上院を通過、教は下院で裁可される予定で、5月中頃までに人々に払い戻し税が郵送されるそうです。△ロムニーは大金持ちだからいいけどこの選挙に自費5000万ドルを使った。ヒラリーもかなり自費を注ぎ込んでいるようですが、なに、窮状を訴えればすぐ集まります。(了)



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