安達正興のハード@コラム
Masaoki Adachi/安達正興


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クルーグマン、オバマのヘルスケア案を切り捨てる
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〈 2008年 2月 7日 木曜日 )


●クルーグマン、オバマに一太刀
先回書き忘れたことからはじめます。オバマのヘルスケア政策についてクルーグマンが、ばっさり切り捨てる辛辣なコラムを4日付けのNY-タイムスに書いている。
http://www.nytimes.com/2008/02/04/opinion/04krugman.html?_r=1&oref=sloginオバマ支持を社説に掲げたNYタイムスですが、クルーグマンは別格か。Clinton, Obama, Insurance というタイトルで両候補の医療政策専門家の分析を参考にして比較、「その違いは全国民をカバーしているか(キーとなる漸進的目標)、それともはるかに及ばないかである」、言うまでもなくオバマ案が後者。「オバマ計画はクリントン計画より多数を医療保障の外に放置する」、とか、次の締めくくりはクルーグマンらしい一刺しではありませんか。
If Mrs. Clinton gets the Democratic nomination, there is some chance ― nobody knows how big ― that we’ll get universal health care in the next administration. If Mr. Obama gets the nomination, it just won’t happen.
「もしクリントンが民主党の指名を得るなら、チャンスはある −どれくらいのチャンスか誰も知らないが− 次の政権では普遍的なヘルスケアを享受できるだろう。もしオバマが指名を得るなら、ただもう何もおこらない。」

●経済イッシュー
民主党の争点は教育、エネルギー、環境、移民、イラクなどなど多々あるが、メインイッシューは住宅破産、税、金融政策、景気刺激に代表される経済にうつります。そうあって欲しいと個人的期待もあるのですが、若年層とアフリカ系アメリカ人が吟味するか、失礼だが心許ない。オバマニアに付ける薬はない。

ところで、マケインが『私は経済がわかりません』と選挙前に漏らしていたが、歴代大統領で経済の専門家はいましたっけ。たとえばブッシュがそうですが、経営者だったからってのは関係ない、新年度予算案をみましたか、かえって悪い。経済通を誇るロムニーは逆効果なのです。ビル・クリントンはあまり経済対策にタッチしなかったが、巨額の財政黒字をあげました。とりあえずいまは各候補者の経済アドバイザーをチェックしておくのがよいだろう。

●各候補の経済アドバイザー一覧
ヒラリー=Green Sperlin.(前CBOディレクター) オバマ=Austan Goolsbee(シカゴ大教授、ユーモアのセンスあるマゾヒストとの評あり)。マケイン=Douglas Holtz-Eakin.(国際経済研究所上級研究員) ロムニー=Vin Weber(上院議員)。ハカビー=この人も経済オンチだが同じ地元アーカンソーで銀行頭取のFrench Hill が補佐する。

エドワーズがどちらを支持するか、でティッピングポイントが振れる。キングメーカーになろうと企らむ人出はないとおもうが、重みがある。

共和党はマケインが揺るがない。メディアに置き去りにされていたハッカビーが見直されまことに結構です。話せばこのひとが共和党本道として最も良識あり(リベラルには狂信的)具体的、実務的な印象をうける。オバマの対極にあり、この二人に討論させれば予想できない面白さがあるのですがね。さてさて、マケインとぶつかってどちらに勝ち目が確かか、オバマかヒラリーか。民主党本部の動きが気になる。(了)



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