●なれ合いを演じたオバマとヒラリー
21日の民主党討論はオバマとヒラリー熱くなってエドワーズが割って入る一幕がありました。あれに比べると31日の二人は口論しないよう事前にうちあわせしたのか笑顔で馴れ合い、意見の一致するところは互いに褒め合い、ヒラリーが『私の言わんとする所はいま彼が話したとおりです』なんていったいどうなってるのとおもわせる雰囲気でした。
おもうに、前回まではここまではオバマが代議員数で最多を得たオバマが中央に、向かって左にヒラリーと右にエドワーズの形で討論が行われたせいか、オバマ中心の調論スタイルになッテイタ。今回はエドワーズが離脱したので二人が並ビ、立ちとうろんではなく椅子と机である。これだと平等で気分的にもおだやかになる。
●社会派メディア(平和ボケ)に人気のオバマ
わたしはオバマにもヒラリーにも、思い入れはない。オバマは「アメリカ大陸西から北まで人々が立ち上がり新しい政治を始めよう」というジャンヌ・ダークみたいな旗ふり役で、率先してやろうという気概はよいけれど、こういうのに私はゾっとする。イラクの米兵を早急に帰還させる、あの地で米国民が死んでゆく義はないとミエきったって、現実に可能かを考えてるのかッ!突っ込みたいが、聴衆はオバマが喋ればいちいち喝采するのですな。おもしろくない。
もうひとつブッシュを名指ししないで現ワシントン政府をボロクソに過去の政治、赤字の垂れ流しなどについてブッシュ批判するでしょう。ブッシュは大統領選にタッチせず黙っていなければならない立ちばですが、内心ハラが煮えくり返るほどだと思いますよ。
●ヒラリーの政治経験は自慢に値するか
ヒラリーは医療制度拡の取り組みをあれもやった。これもやりました。「私の経験がワシントンノ初日から役に立つ」など『わたし自慢』が多すぎて、好感がもてない。主観的にはこの討論でヒラリーは主導権を握ってリラックスしていた。なのにコメンテーターの半数以上はオバマが討論をリードし勝ったという。トークショウのホストたちが6〜7人オバマ支持に回りました。社会派メディアの連中にオバマは絶大人気があり、政治部門のジャーナリストはあまり意思表示しないが親ヒラリーがわずかに多いとお見受けした。
ところで満員だった31日の討論会場は、ギャラリーの様子から見たような風だなと思ったらアカデミー授賞式のコダック・シアターでした。日本の首相候補が討論会をこれくらいのホールですると、客集めがたいへんだ。
●マケインロムニーを翻弄
順序が逆になりましたが30日、レーガン大統領記念ライブラリーで行われた共和党の討論会ははマケインとロムニーに喋りが割り増しされ、ハッカビーとロン・ポールは不満だっただろう。この3、4番手はなかなかいい事言ってるのにね。ロムニーはマケインのイラク・イッシューにまんまと乗せられ、得意の経済イッシューは不発に終わった。マケインの老獪さを見た感じ。たとえばマケインが提唱した移民法案、現在米に住む不法移民に市民権を与えようという案はアムネスティ法案と揶揄され、保守本流ではないないとするロムニーの批判に『あの法案は通らなかった。無理に押すつもりはない。国民が最も望むのは国境の警備であり、このことから着手すると言ってきた』とシャーシャーと答えると堂々と見えてしまうマケインである。ロムニーの反論を弁解がましくさせる攻略がうまい。71才、だてに年は食っていなかった。
マケインを畏敬するわたしでも、この人が大統領になった場合、国際紛争への仲裁に向いているか疑問あり。中・露に負い目はないが、アメリカは国際紛争に否が応でも関与しなければならない国際地位にあるのですから。
さてスーパーボウルはNYジャイアンツが勝ちました。明日はいよいよスーパー火曜日です。オバマが追い上げてきました。ビル・クリントンはヒラリーと別行動で黒人層の支持確保にかけずっています。大接戦?わかりません。
(了)