安達正興のハード@コラム
Masaoki Adachi/安達正興


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ギョウザと殺虫剤の不似合いな関係
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〈 2008年 2月 4日 月曜日 )


今冬は例年より雪が少なく風雨の多いベルゲンでしたが、週末から雪模様になり、雪かきを日に何度もするほどでした。ドカ雪ならスノウフレーサーを使うのですが、5センチぐらいなら雪掃きというのか、押してゆくスコップの方がきれいになる。あとで肩腰にくるようになった。また夜の会がかさなるとコラムが煩わしくなります。

● 中国製冷凍ギョウザ
殺虫剤が許容数値の100倍もあるギョウザなら10コ食べれば死ぬでしょう。死んだ人がいなかったのはウンがよかった。食品衛生上の残留農薬のマキシ量をどうやって決めるのか、加工食品の添加物制限について、なにもしりませんが、化学物質、放射能などの人体許容値はあまり信用できない。幼児や老人と壮健な成人ではちがうわけで消費者の立ち場からは『有害物質を食品には使わない』とはっきり決めて頂きたい。のですが、そうすると世界はたちまち食料危機になる。化学肥料ナシに世界の人口を食べさせることできませんからね。

●海外の報道
国際主要紙、日本に特派員を派遣しているメディアはたいてい一度は報道しましたが、フォロウが少ない。当地でも新聞紙上にちょっとありましたが、これはロイター発でした。NYタイムスが詳しく、しかも論説でも取り上げている。

英語では餃子もシュウマイも、皮で包んだ団子はすべからくダンプリングという。ちなみにタコ焼きはOctopus Dumplingです。英紙は『日本では餃子・ギョウザ、中国ではジャオジ、韓国ではマンズ、というPesticide-tainted dumplinng (殺虫剤汚染ギョウザ)による中毒で・・・、』とい言うぐあいに親切だ。

●前歴で見られる中国製品
論調は原因はまだわからず、中国側当局の暫定発表では原因とされる薬剤が発見できなかったと報じているものの、中国にはかずかずの前歴がありますから、やはり中国へ矛先をむけている。ペットフード、風邪薬のシロップ、チューブ歯磨き、最近では中国から米へ輸出している淡水養殖魚に発がん性抗生物質が検出され問題になったばかり。こういう前歴があると、また中国製かという固定観念が世界を回ってしまう。発見された殺虫剤メタミドホスmethamidophosは日本で使用されていない、と犯人はアチラといわんばかりです。

それとは別に日本はアメリカからの大豆、小麦の輸入に厳しい安全検査をおこない、牛肉はまだ輸入停止である。それほどに神経質な日本の検査がなぜに大量の「一口餃子」汚染を発見できなかったのか。日本側の対応の拙さ、遅れはたしかにあった。でもまあ、殺虫剤のブッカケにくらべれば賞味期間や原料地の偽装はかわいいと思えてくる。

●故意の確信犯?
ブッカケといえば、食品工場の作業員が毒物を混入させた事件が昨年中国でありましたっけ。数年前にコンビニのペットボトル飲料に毒物を注入した事件が日本でありました。皮の原料である穀物の残留農薬が許容値の100倍なんてことは誰が考えてもありえない。加工段階から出荷の間だろうと、想像でものを言っちゃイカンですが皆さんんそうお考えだろうとおもう。このタイプの異常人間に起因する事件は生産マニュアルで対処できない。いい知恵はないものか。

● 食品自給率を高めよ
今年から世界的な食料品値上げがまっていますが、先進国は飽食できる環境にある。だけど安穏と飲み食いしていられないご時世がきますよ。日本の食料は約60%が輸入食品である。先進諸国の食料自給率は意外に高く、イギリス70%、フランスは120%。米、オーストラリアは輸出国。国の基本は兵糧にあり。日本の人口が減っていても、世界全体の人口増加は急激に進み、食料と飲料水の争奪が激しくなる世界が数十年でやってくる。そこへ地球温暖化による旱魃と洪水の増加のよってグローバルな収穫量がが減少する。そのとき慌てたってもう遅い。コメはやっと時給できているが、それは最近の傾向であまりメシを食わなくなったからではないのか。我が国の米作就業人口は1%ですゾ。(了)



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