安達正興のハード@コラム
Masaoki Adachi/安達正興


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スーパー火曜日を前に(8)フロリダ
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〈 2008年 1月 31日 木曜日 )


●マケイン競り勝つ
1月29日、共和党のフロリダ予備選の結果はマケイン36%、ロムニー31%、ジュリアーニ15%、ハッカビー13%の順。マケインは負けそうな州で勝ったことは大きい。アナリストたちが解説する勝因は、フロリダ南部のヒスパニックと北部の伝統保守支持層、知事以下の民主党系公務員が陣営に参入、さらに、ジュリアーニ票をとりこんだことにある。もしジュリアーニが得票をのばしていたら3番手に落ちたかもしれない。

●さようならジュリアーニ
ジュリアーニは緒戦パスが裏目に出て戦線からドロップアウト、資金をつけてマケイン支持にまわった。マケインはなんと幸運なんでしょう。それにしても昨年まで世論調査でトッップだったジュリアーニが全力投球したフロリダの賭けに敗れた。この人の話ぶりは最もふつうで自然体、言葉を飾らない。つまり演説がヘタなのです。犯罪都市だったニューヨークの治安を一変させ9.11で見せた手腕はわすれられない。小生は大ファンでした。悲哀、あゝ無情。

● ヒラリー、人気投票にごきげん
フロリダ民主党は全国本部の取り決め「1月中に予備選を行わない」に逆らって実施したため代議員数は得られない。したがって共和党のネヴァダとおなじ人気投票に過ぎないが、オバマに文句無しの差をつけた。勝って損することははない。

●エドワーズ、ついに白旗
常にではないが、ガンにおかされた夫人けなげに夫のラリーに付き添っていた。大統領選出馬は夫人の願いであり、Edがむりやり妻を同行させたのではない。でもやはり降りてよかった。もうすぐその記者会見が二人の娘と家族そろってはじまりますが、見るのはつらそうで刑事物を見るつもり。エドワーズ票をさてオバマ、ヒラリーのどちらにプレゼントするか、支持は先延ばしにする。オバマはさっそく、エドワーズに賛辞を呈しています。"John Edwardshas spent a lifetime fighting to give voice to the voiceless and hope to the struggling." He hailed Edwards and his wife, Elizabeth, who is battling cancer, for trying to unite the "two Americas"--haves and have-nots -- that they have often invoked on the campaign trail.

我田引水が透けて見える。さてここから人は偏見というだろうわが率直な人物感です。

● ジョン/テッドvsボビー
当地では飼う事を法律で禁じられているピッツブルテリヤに因んでオバマに噛み付くクリントンをピッツビルという。そのビルがクリントンはテッドがどうやらオバマ支持に回りそうだというんで電話で中立を貫くよう説得したのですな。でテッドはキミこそオバマへの中傷を慎みなさい、人種的偏見が臭うと口論。その直後にテッドはオバマ支持を決断したという。

そして前回ふれたようなオバマ支持の絶叫演説になりました。息子のパトリック上院議員、前日に初々しいオバマ支持をNT紙に寄稿したジョン・ケネディーの娘キャロライン(お母さん似ですね)たちはオバマ支持を鮮明にしました。

ケネディ一族のボビー(ロバート・ケネディ)家はヒラリ−支持を表明、CNNによると、ボビーの長女カスリン・ケネディ・タウンゼント前メリ−ランド洲副知事は、「キャロラインとテッドの意見を尊重する。オバマを高く評価しているが、ヒラリーとは25年の親交があり、彼女は私を信頼している」と、家族一同はヒラリ−支持を表明。

ケネディ一族はクリントン家との誼(よしみ)からヒラリーの選挙活動に1万5000ドルを提供、オバマには一桁低い9千ドルしかあげなかった。テッドの采配でやったことだったが、今度はいくらオバマに寄付するのか、テッド・ケネディの寝返りである。テッドはこうやって友人を失い、新しい友人を開拓しては政治生命を維持してきた。絶叫演説でも「空気が変わるのを感じた」と言ったように処世の風見どり。国際政局の風見どりとは似て非なるものである。

●ロムニーの鼻白む経済自慢
スーパー火曜日にむかって資金が要る。。マケインは勢いに乗って資金繰りが可能。ハッカビーは底をついた。ロムニーはざぶざぶある。

ロムニーとマケインはソリが合わない。しかしロムニーがマケインは経済が待ったまったくわかっていないとあざ笑うのは頂けない。実際、笑みをうかべて小馬鹿にする態度に、この人が?わたしゃ面食らいましたな。イジワルで、経済通を自慢してはばからない。ロムニーは投資会社やコンサルタンと業で成功した。法に触れないクリーン経営者だが、実像を日本に求めると、小佐野寛治や笹川良一と村上世彰やホリえもんの中間にあるジャンルといえばあたらずとも遠からずだろう。金を貯め込み政界に出る企業家の経済感覚と国家経済は別問題だぞ。(了)

たいして意味はありませんが、本日までの各候補の議員獲得数です。
民主党 オバマ63、クリントン48
共和党 マケイン95、 ロムニー67、 ハッカビー26



Pnorama Box制作委員会

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