● EUのCO2削減プログラム
ダヴォス経済フォーラムが開幕。世界株暴落のタイミングに行きがかり上、アジェンダに準備されていた中東和平と地球温暖化のパネル討議はスミに押しやられてしまい、ちとガッカリ。。EUがCO2対策計画を発表。これは議論を重ねてやっとまとめた苦労の結実です。みなさん真剣になってくださいよ。
興味ある措置があります。たとえば、CO2排出の多い国ほど削減目標が高く、低いEU加盟国のルーマニアは現在よりもっと排出しても良いから工業近代化を目指せという。今回は中東和平に精進中のブレアが共同議長のひとりとしてイスラエル-パレスチナ問題も大きな議題であったが、会場の関心はもっぱら経済中心にある。
●米と欧で分かれた景気予測
今回の参加者は2500人、基調演説にたったライス長官が内容を経済中心に、米のファンダメンタルズは強く"US will remain an engine of economic growth". と不安打ち消しに終始した。自信を持てと、でも受けなかった。米のファンダメンタルズ良くありませんぞ。
米のビジネス・金融界は総じて楽観的。アメリカが悪者にされないよう牽制している面もあるのでしょう。ペプシのCEO、シェブロン石油のCEOが低迷は短期的との見方を示し、逆に欧州からの出席者は一様に悲観的である。マーケットが示すように火曜日のNYSEはプラス2.28%に戻したものの欧州市場はほぼ同じ角度でノーズダウンに続落である。
Fedが3クオーターも一挙に金利を3.5%へを下げたのにはビックリ、『おぬしデキルな』。連動して公定歩合は4%になりました。ウォールストリートは、先のブッシュが発表した『ポケットにキャッシュ』対策に対しては額があれっぽっちじゃ、市場は冷ややかでしたが、この利下げの夜討を歓迎したようです。
●市場は期待が原動力
ま、市場は期待ですから、日時単位の上げ下げで判断できませんが、クラックはないとおもう。しかし長引くだろうという予感はあって、9.11の暴落では、結局1年近くイラク侵攻が現実になってから戻したように、宙ブラリンが一番いけない。ずいぶん前ですが、米の景気はイラク情勢がOK になって米兵の帰還が始まれば好転すると、書いたのはそういう事情からでした。
ダヴォス常連のカルロス・ゴーンが、インタビュアーに08年トヨタの米国での販売台数を予測して減益を数字ではじき出していました。悲観するほどでもないから言えるのでしょうけれど。
ところで、当地ノルウェー中央銀行は金利据え置き。インフレ懸念が依然強く(年末商戦は今年も更新)3ヶ月ぐらいのうちに0.25%アップが予想されている。
○筆者独白:パキスタンを次回に
このところパキスタンとガザの動きに眼が話せません。そのことを書くつもりでダヴォス・経済フォーラムは数行のつもりでしたが、毎度シマリがなくてこまります。ムシャラフがEU会議でイジメにあい、パリではサルコジに最高のもてなしをうけ意気投合、23日ダヴォスにきてライスと北東部続地域に跋扈するテロ組織について会談したことなど、次回に回します。(了)