安達正興のハード@コラム
Masaoki Adachi/安達正興


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9.11以来の株価暴落
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〈 2008年 1月 22日 火曜日 )


●ダーク・マンデー
米の住宅ローンに発する金融危機が月曜日、ついに来るものが来た。先週までは、ここらが底値かな、いやもう少し落ちるだろうと読んでいた人が多かったのではありませんか。リセッションは2年ぐらい続くというプロの意見もおおくありましたが、月曜日、世界同時に株価急落がおこるとビシット警告したアナリストはいませんでした。

9.11以来の急落といいますから、ヨーロッパはパニックに近い。ロンドン5.5%、パリとフランクフルトが7%、当地ノルウェーは6.4%、ロシア、インド、ブラジル、メキシコ、カナダ豪、韓国、台湾も例外ではありません。香港−5.5%、東京は4%下落でした。この日、アメリカはキング牧師の誕生記念日のため休日でしたが、本日火曜日は2〜4%のダウンが予想される。

●ノルウェーのナーバスな下落事情、
衝撃がどれくらいか、一例として当地の状況をご紹介します。1日で6.4%落ちというのはオスロ証券市場歴史的である。今年に入って26%下落、日本は13%下落ですからちょうど倍落ちです。この国の経済を引っ張る石油のスタトオイル・ヒドロが−7.3%、急伸していた太陽発電のRECが−20%と暴落。北海石油はこのところ下がりつづけて現在$88/b。末端ガソリン価格や灯油価格には残念ながら響かないでしょうが。

ノルウェー国家ファンドの「石油基金」(公式には「年金資金」)が現在いくら減ったか、政府は黙っているがきっと10%は目減りしているとおもう。

ノルウェー人は平均的に株・債券で財テクする人種のようで、人口470万人のうち140万人が手を染めている。おとなの半数にあたる。先週水曜日のベルゲン新聞のトップが『新年から6600KR/p失う』。つまり正月15日間で株下落による一人当たりの評価損が約13万円。今日は15万円くらいになるだろう。

日本ではみずほ銀行がメリルリンチに1000億円だか投資したが、いいんですか?1000億欲しいのではないんですか。中国銀行は07年度末決算で8500億円の評価損をだしたという。

●ブッシュ、お小遣いわたして逃げる
思い出し笑いしました。ブッシュがTAX REBATE(戻し税)を中心とした景気刺激策を発表した。その答えが週明けのこの下落である。バーナンキ、ポールソン、ベロシ下院議長らが雁首そろえて超党派でつくった対策がアッケなくポシャりました。WHで発表するブッシュの解説をいま思い出すと笑ってしまう。いわく、12月の年末商戦売れゆきが11月より悪かった。それはピープルに手持ちのお金がないからで、消費の落ち込みが景気を停滞させるの。税カットにより現金を払い戻してピープルのポケットにドルを入れ、買い物を促す措置。総額14億5000万ドル。

一人当たり300〜600ドルがポケットに入ったからってそれで景気が持ちなおすなんてブッシュだって信じていない。何かしなきゃいけなかったんでしょうか。後ろに居並ぶチェイニー、ポールソン、ペロシなど6〜7人は俯きっぱなしで、彼らもいたたまれなかったのでしょう。ブッシュは話を終えると誰とも握手・挨拶せずきびすを返して逃げるようにドアに消えました。ブッシュはお小遣いで逃げ切るつもりでしょうか。予備選候補者の処方箋をはやく聞きたい。(了)



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