安達正興のハード@コラム
Masaoki Adachi/安達正興


-------- ----------------------------------
スーパー火曜日を前に(2)N.ハンプシャー
------------------------------------------
〈 2008年 1月 10日 木曜日 )


戸外では、ときに雨とみぞれが打ち付ける暴風が唸りをたている。風速20m/c。こんな日はいつもなら死に体となって寝転がって過ごす。イギリス全土が台風のようです。

昨日はウルフのNH選挙速報をずっと見ていたのですが、民主党はクリントンとバラクが39-37、38-37と接戦で確定が遅れた。まっていたら夜があける。でクリントンの勝利演説はみていないのですが、共和党マケインの勝利演説、ロムニー、ハッカビー、ジュリアーニの声明をたっぷり通しで聞く。

●マケインの勝利演説
以下は私の印象を記す。マケイン復活!新アメリカ物語!勝利の要因は?今後の選挙戦は?などなど分析はシンドイのでやめます。ただいま死に体でしゅから。

支持者へのスピーチで印象的だったのはマケインだけが原稿を用意してきたこと。もちろん原稿を棒読みするのでなく、よどみないマケイン節がリズムにのって実に効果的でした。伝道師の古風な抑揚を思わせるが、まあこれがアメリカ式話術、講釈というもの。音楽のように聞きながら、まさしくカントリ−ソングのナレーションスタイルだわい、と閃いた。バックにスローでセンチメンタルなカントリーを流せばピッタリ合います。大統領の演説を「語り」に取り入れた曲はケネディからブッシュまで加工されている。マケインの勝利演説はそのままで使えそうなリリックだ。

実際にラジオ http://www.wnyc.org/news/articles/91645 で聞いて納得してください。15分かかりません。2分50秒ぐらいからマケイン節が興に乗りまする。難しい言い回しはない。ウーン、いまもう一度聞くとカリスマ説教師のよう。モルモンのロムニーもバプティスト牧師のハッカビーも顔負けだー。

●一皮むけたヒラリーの復活
ヒラリーがカムバックに驚いたのなんの、キリストの復活くらい奇跡。これだから米選挙は最高のエンタメなのです。この大逆転は、例の涙ぐんだ姿が、特に女性を動かしたことに異論はない。個人的にはヒラリーさんが苦手で、ビルを結婚相手に選んだ時から、モニカM.のSキャンダルに政治的判断で別れなかった妻、ニューヨークから上院議員へ、大事をとって02年の大統領選をやり過ごしたストラテジー、絶対に失敗しないシッポを出さないようにして大統領を目標にキカイのように突き進んできた女性。ヒラリーの営業スマイルはいただけない。サッチャーさんは潤いこそ感じられないが激しく感情をブツける烈女だった。プっと吹き出す開放的な一面がある。烈女はそれなりに魅力があった。

そんなわけで、わたしのヒラリ−嫌いは直らないが、幾分良い印象を受けました。ヒラリー陣営は選挙方法の変更、選挙参謀の更迭まで議論される悲壮な状態で、支援金減少まで心配された。そんな悲嘆の淵から出たエモーションは本物であり、人の心を掴む。勝利演説の方はさきほどヴィデオでみたのですが、疲労のうちにも一皮むけた明るい表情、Over the last week, I listened to you and, in the process, I found my own voice. というのは得難い体験をされました。演説位置から離れた場所でビル・クリントンが泣いていた。外部の危機は夫婦の絆を強くするという。また娘のチェルシーがラリーに付きっきりですね。両親と仲違いが長かったがクリントン家庭は今幸せそうだ。

●オバマの演説スタイル
ところでマケインもヒラリーも勝利演説でCHANGE変革を一度も言っておらんぞ。オバマ演説は民心を把握し、揺り動かし鼓舞するレトリックに長けている。標語に用いる変革とひとつのアメリカは黒人指導者キング牧師の専売特許だった。そういえば演説スタイルも似ている。ビル・クリントンがオバマ批判を展開したのは、スピーチのライバルとして反感を抱いているからではないか。(了)



Pnorama Box制作委員会

ひとこと言いたいなんでも・掲示板へ
筆者へのmailはこちらまで
HOMEへ戻る