安達正興のハード@コラム
Masaoki Adachi/安達正興


-------- ----------------------------------
オイル・パワー
------------------------------------------
〈 2008年 1月 4日 金曜日 )


新年の金融市場は2008年を象徴するかのように、NYMEXで原油100ドルをマーク株価全面下落でスタートした。年内にあってもおどろかないと7年の初めに予想したが、先物取り引きが停滞していたため遅れたにすぎない。ご存知のようにこの1年の値上がりは凄まじい。直接の理由は産油ナイジェリアの市街ドンパチとチャベスの対西側石油政策と言われるが、この両国の政情と供給力は何年も前からで、今に始った事ではない。ドル安部分も大きい。

おもうに一番の理由はサウジ、クウェート、UAEなどOPECが原油生産をあげても、精油施設新造をワザとおくらせていることにあるのではないか。価格を高く維持するため、彼らとて限られた資源をゆっくり高く保ちたいだろう。それが既に有り余る富を抱える産油国の国益に適う。加えて今回の仕掛人のような投機筋の思惑似による部分も無視できない。ほかに石油輸入国の買い付け攻勢があり、中国が抜け駆けで始めた事だから中国が文句を言う筋合いではない。

石油値上がりによる物価上昇は、様々な消費物資価格をジワジワ押し上げ、すでに庶民の生活を圧迫し始めているが、ここでは大きく変化するジオ・ポリティックに焦点を絞ると、国際関係におけるオイルパワー国家の発言が断然強くなる。で、それら産油国の筆頭はロシア、中東産油国の富は天井知らずに蓄積され、イランが台頭する。
イラクは治安が安定する08年中頃から石油の輸出国となり、急速な発展も夢ではない。

いま、世界一ノッポのビルは台北にあるが、これを凌駕するビルがモスクワ、アブダビ、上海で建築中である。上海は別にして、オイル国家の威容を示すビルラッシュである。サウジは王族の恣意的な資金運営でやってきたため世界の金融市場についていけなかった。今年はこの世界一の石油輸出国が国家ファンドを設立する。

余剰の富を持った国は金融市場で運営する金力だけではない。必ず軍備を拡充に進む。チャベスのヴェネズェラは南米の国柄として一流の装備と規模を擁している。ロシアと中国は軍事費が突出している。ロシア空軍、中国海軍の行動は近年つとに活発になり、アブダビは米から兵器を大量に買い付けた。近隣の不産油国から襲われるときが近い将来ないとも限らない備えだろう。だが、この地域の軍備拡張は必然的にイスラエルとの緊張を孕み、かつ、アラブ国家間にも軋みをしょうじるだろう。(了)

余録;ずっとTV見てたのですが、アイオワはオバマが強かった、エドワード善戦、ヒラリー凋落。共和党はハッカビーが大差で勝利。2番手がロムニー、宗教は生きているってことか。オバマはバスケットが上手、ハッカビーはグループサウンズ調エレキが弾ける。わたしとしては二人がこのままノミネートされればよいな、とおもっております。



Pnorama Box制作委員会

ひとこと言いたいなんでも・掲示板へ
筆者へのmailはこちらまで
HOMEへ戻る