安達正興のハード@コラム
Masaoki Adachi/安達正興


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遅延議会に苛立つブッシュ
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〈 2007年 12月 21日 金曜日 )


●1年経ったネジレ議会
20日、ブッシュのホワイトハウス記者会見が久しぶりに開かれ、スルーでビデオ見る。下院のマジョリティーを民主党に奪われて1年がたちました。日本のねじれ国会と同じでやはり議会運営が難しいんでしょうね、ブッシュのフラストが高まっているのがよーくわかる記者会見でした。

民主党議員が地元から頼まれている様々な計画(pet projects)を実現できる議会構成になっていることもあって、それをオムニバス・ビル(一括法案)として式に通して来るのですな。その書類が1400ページもあるとはオドオロキ。11.900のプロジェクトがあって、そのうちの殆どに用途限定のイア・マーク付き。ちょっと汚職できにくい仕組みといえども、実施する政府は窮屈だ。そういうバラマキ行政をやれと議会が要請している。

●民主党のバラマキ法案
ブッシュは予算委員長にムダな計画がないかチェックを指示した。きっといっぱいあるという表情。大統領には法案の拒否権があるが、個別の計画に対しては出来ないそうです。やるなら提出された法案、すなわち一括法案として全てにおよぶ。そんな事できっこない。フラストがたまるブッシュさんは、議事がいつも遅れ遅れになることをこんな風に非難:"When Congress wastes so much time and leaves its work to the final days before Christmas, it is not a responsible way to run this government." この気持ちはサラリーマン諸氏の同意が得られます。

共和党が多数だったブッシュ政権の6年間は、用途指定のあまいバラマキしてきた弊害を根絶するため、というのが民主党の主張。他にもイラク戦費支出を削った法案にブッシュが拒否権で潰したことへの当てこすりもあるだろう。

●米の特措「米国保護法」も延長あやうし
今年の夏、「米国保護法2007」可決されたのを覚えておられますか? FISA (Foreign Intelligence Surveillance Act外国諜報活動偵察法)を修正して外国に住む外国人の情報活動を監視、インターネットの交信を盗見、電話の盗聴ができ、米国外で秘密に逮捕できるという期限付き法案です。人権活動家が反対運動したいわくつきの特措法。で、これが来年2月に期限切れになるため、年明け早々にも延長を認めてくれと催促、遅れて施行にマが開くと危険だとブッシュは心配している。インド洋上の油供給船の引上げを余儀なくされた日本の轍は踏みたくありません。でも結局は『ほっほ、あなたもですか』なんて日本から言われそうです。

余談:サルコジがバチカンで法王と会見。イタリアへ例のイタリア人女性友達の同行はなかった。そりゃそうです、サルコジはカソリックの目からはとんでもないツミ人ですからバチカンが夫婦でもない女性同伴を許可するハズがない。会見で法王のよどみない仏語にサルコジが『どこで習いましたか』、法王は一言『学校で』(アホなこと聞きなさんなと言わんばかり)。法王は母国ドイツ語とラテン語のほか5カ国語ぐらい流暢でありました。(了)



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