●武器調達と汚職
防衛省が軍備調達に発注するお金は巨額も巨額だから商談に億単位のキックバックがある。さような不正は我が国にはない、と言える国家があればお目にかかりたいくらいで、大な小なり軍事装備品には不正な金の流れがあるものです。とにかく大金が動くので一度味を占めるとともう止められなくなるのは人間のサガ、コワイ誘惑である。
そういう美味しい話を嗅ぎ付けて政治家が出てくるのですが、後進汚職国家では初めからボスの家族が武器商談を握っているので政府ビジネス即ち汚職である。日米欧などの先進国になると、さすが政治家は出てこなくて、ブレアが2度警察の参考人聴取を受けた時は、担当官が収賄したのを知っていたか知らなかったかで、ピンハネしたからではない。サルコジも昔、エジプトへの武器売却で疑われたことがある。米欧は武器の流れに世間の目が光っているのがよい。
●汚職の先進と後進形態
ロッキード事件では田中角栄、全日空と丸紅の社長など役者がそろってまさに後進国ニッポンでしたが、守屋前防衛次官の汚職事件では政治家の関わりは微弱、大商社の社長はあらわれず、官僚トップがチビチビ長年小出しにブローカーから貰ってきただけでしょう。程度としては先進国並みの武器汚職です。ですが、汚職の内容がゴルフや飲み食い、夫人へのお小遣いと娘の学費か……所帯染みて滅入ります。こんな人が防衛省一の実権を握っていたなんて平和な国なんでしょう。
首相や政治家がでてこないこれしきの武器汚職では国際ニュースにならない。実際国際TVニュース・チャネルで見た覚えがないので試しにMoriya Vice Defense MinisterとGOOGLE にタイプすると朝日・毎日などの英語版とジャパンタイムスが並んでいて外紙が出てきませんぞ。さびしいな。我が国としてはこれでも史上に残る大きな防衛汚職事件なんですがね。
● シャリフ選挙に参加
パキスタン情勢はおもしろいほどピタリと予感通りの進捗ぶり。>野党のシャリフやクリケットのカーンはボイコットする意向だが、前言を翻すレトリックは容易い。<
と30日のコラムから10日をまたずに前言を翻しました。野党はもうバラバラだ。ムシャラフは非常自体宣言を1日はやめて15日に解除を発表。理由はない、自信を深めたのでオマケです。(了)