安達正興のハード@コラム
Masaoki Adachi/安達正興


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Dear Chairman Kim Jong-il
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〈 2007年 12月 7日 金曜日 )


● 米朝国交正常化への一里塚
特任大使がボスの親書を携えて交渉に臨むことはルーチン・プロセスです。ブッシュが金正日に親書を送っていたことで、動揺するなんてミットモない。ヒル次官補が訪朝する前に、日本に立ち寄って福田首相と会見しているきましたね。ブッシュは6カ国協議の各首脳に親書を送ったということですから、福田首相と話し合った際。ブッシュの親書を手渡している、ですよね。内容はともかく、金正日あての親書について知らされていたでしょう。

ブッシュが親書を当分は絶対に送らない首長に、イランのアフマディネジャド、ハマスのハニヤ、スーダンのバシルを列挙できる。すると金正日は話せる相手ということか、フムフム。米国光正常化への一里塚となった親書はこの先。新年の挨拶や、誕生祝電のやりとりもありそうな。

●おくれてきた親書
米朝国交正常化はギクシャクしながらも射程距離に入っている環境で、首脳のキャッチボールは自然のなりゆきでありましょう。昨年、金正日の方からブッシュあてに『国交正常化の曉には、朝米関係が対韓国よりも親密なパートナーとなるだろう』と、例の核実験直後に宥めすかしと期待と脅しとが入り交じった親書を送っています。

もちろんブッシュは無視しましたが、今回ヒル次官補から朴宜春外相に託された時効すぎの返書の中で、ブッシュは将来の友好を述べているハズ。楽しくはないが、報道官が明かす北への注文ばかりではない。親書・Personal Letterなのですから。

●行く経不明の輸入遠心分離機
さて、寧辺核施設の無能力化が年内いっぱいに終わらない見通しだが、それは安全面からゆっくり進めるよう米側が求めたことで問題ない。問題はウラン濃縮に使う遠心分離機がどこにいったか行方知れずになっていることです。パキスタンのDrカーンから購入した約20台のノウハウを元手ににに増やして行ったのですが、その約20台が見つからない。米はシリアに渡ったのではないかと疑っているが、もしそうだとしたらイスラエルがシリアの核施設を今年の9月に爆破してしまったので、北は知らぬ存ぜぬで押し通すのではないか。

米は核計画の全て、ヒルの言葉によれば "The number one issue is, we want to be completely sure that they don't have any ongoing program. The number two issue is, we want to know what they have been up to in the past."
過去の計画も含め、全ての核計画を申告し完全に廃棄することを要求している。

言うはやすしですが、金正日は丸裸になりたくないでしょう。米朝国交正常化は、射程内に入ってからが長い。(了)



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