安達正興のハード@コラム
Masaoki Adachi/安達正興


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アナポリス中東和平会議のまえに、ほか
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〈 2007年 11月 26日 月曜日 )


●ハワーズ・エンド
ハワード首相が敗退したニュースで、Hawarユs Endと見出しを掲げたのがえいました。同名の小説、E.M.Forster の名作に由来する。それだけ、別に意味はないのだが夢中に読んだ時代を懐かしく思い出す。そこで新首相の名にひっかけて『シェーン、カムバック』とひらめいた。が、まてよ、新首相はKevin Rudd、映画の主役はAlan Ladd
でシャレにならない。やはりいつまでたってもLとRを混同する日本人のわたし。

ブッシュはイラク侵攻以来、最後の盟友ハワードを失なった。サルコジさんと緊密といっても軍事面で米仏の協力はない。胡錦濤は訪中予定だったメルケル独首相をダライ・ラマに面会したカドでキャンセルし、いままた米原子力空母の香港寄港をおなじく猊下に勲章を授与したブッシュに抗議してか、寄港をドタキャンしました。今回はサルコジを歓迎してイメージをよくしようと演出するだろう。お世辞に浮かれやすいサルコジさんですものブッシュは愉快でいられない。

豪新首相のラッドは小さい時から中国に憧れ中国を学んで労働党員になった経歴ですが、オーストラリアが親中国政策に向かうとは考えられない。胡錦濤がオーストラリアの国会で演説したときは、議員さんたち、与党も野党もブーイングを遠慮しなかったではありませんか。ラッド首相の個人的親中と政府の対中政策は自ずと異なる。

●開催に漕ぎついたライス渾身の和平調停
さて、歴代米大統領はWHを去るまえに中東平和に最後の努力をして、成功したものもあれば失敗もあった。どっちにしろその後に和平がオジャンになるのですが、ブッシュ政権も最後のトライに賭ける。ブッシュは7年前、大統領に当選してすぐ中東和平ロードマップを提唱、パウエル長官が奔走したが成果なく棚ざらしになっている。今夏からライス長官が渾身の努力を振り絞り、だが、矢つきて倒れた風情で中東和平会議が明日、27日にアナポリスで開かれる。丸1日のカンヅメ集中討議である。月曜すでにブッシュはオルメトとアッバスに個別に会って本会議に備え、28日にイスラエルとパレスチナの共同声明ないしは次回につなげる同意事項が発表される。

これまでと違う所は、具体的な成果をまるで期待していないこと、パレスチナとイスラエルの2国家共存以外、渉決裂になるような議題には深入りしない。じゃ何のためかと聞きたくなるが、矢つきて倒れて辿り着いた会議に軽々しい批判は禁物。雨降ってこそ花も咲きましょう。

もうひとつ違うの参加国の多様性。サウジとシリアが加わり、それぞれ副外務大臣を派遣する。米主導に反対してきたアラブ代表のサウジがが初参加、シリアはイラン、ハマス、ヒズボラを支援するとして米が対話を拒否してきた政権である。この2国を会議にとりこむことで参加を招聘しなかったイランとハマスへの影響力が無視できない。ほかにEU,日本など和平後あてにされる支援国も参加、当地ノルウェーからはヨナスG.ストーレ外相が出席する。(了)

ところで来年のブッシュカレンダーはいかが、笑えます。ご覧のように皮肉いっぱいのカウントダウンカレンダーにはブッシュ・ブランダーズ(失言録) がついています。こういうのを買う人はブッシュ嫌いよりむしろ、どこかブッシュが好きな人なんでしょうね。



Pnorama Box制作委員会

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