安達正興のハード@コラム
Masaoki Adachi/安達正興


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ウゴ・チャベスを一喝したスペイン国王
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〈 2007年 11月 13日 火曜日 )


●不埒ものに『黙らんか』
Por que no te callas?スペイン語で『黙らんか』の意。スペイン国王がヴェネズウェラのウゴ・チャベス演説に切れてそう言った。ガマンしませんよ国王だもん。この珍事、チリのサンチャゴで開催中のイベロ・アメリカ首脳会議(スペイン、ポルトガルと南米のサミット)の最終日、チャベ大統領スが演壇に立ち、スペイン前大統領のホセ・マリア・アスナールを執拗に『ファシスト』呼ばわりしたことに業を煮やして一喝した。

アスナールはブレア以上にブッシュを支持しイラクに侵攻、派兵した欧州最右翼の若い大統領でした。そこへマドリッッド列車爆破事件が起きて、犯人をバスクと決めつけ初動捜査に失敗。選挙でイラク即時撤退を公約したサパテロに負けた、どこか貴公子のような人物。このアスナールがチャベス追い出しの軍部クーデター(2002年)を画策したという理由で、チャベスはアスナールに根深いウラミを抱いている。ウラミの相手はすべて『ファシスト』にしてしまうチャベス。

●世界最強のファシスト・チャベス
しかし世界を見渡してファシストと呼べる首長はチャベスが一番でしょう。あとカリモフくらいか。言葉だけならアフマディネジャフも負けないが、権力行使はチャベスが最強だ。いま、チャベスは憲法を66カ所変更して大統領権限をさらに絶対的にしようとしている。この前の大規模学生デモは、この憲法改変を最高裁が判断を延期するよう要求するものでした。

さて、まずチャベス演説中、ひな壇の中ほど、演壇のチャベスから5mも離れていないサパテロ大統領が、婉曲な言葉遣いでチャベスを諭したが、ケンカ早いチャベスに効くもんですか、倍の早さでまくし返された。アメリカ人は、チャベスは憎たらしく、サバテロが嫌い。実はわたしもそうだからこのやり合いは痛快でしたな。惜しむらくは進行係が気を利かせてマイクを切っちゃたので詳細は報告されなかった。

で、このやり取りにチャベスの横に座っていた業ホアン・カルロス国王が堪忍袋の緒が切れたとばかりツイと立ち上がり、退場の足取りで冒頭の言葉を放ったのでした。

あとでチャベスは国王もクーデターを知っていたと、八つ当たり。チャベスの政治的岳父はキューバのカストロ(まだ生きている)、盟友がアフマディネヒャフとモラレス。この資源保有の」オカシなグループと仲良しを厭わないのが胡錦濤。

このたびは不埒者を一喝したカルロス国王にスパニョールたちと共に祝杯をあげよう。(了)



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