安達正興のハード@コラム
Masaoki Adachi/安達正興


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アルゼンチンの新王朝・キルチネル夫妻
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〈 2007年 10月 29日 月曜日 )


●「ヒラリーさん、一足お先にネ」
南米の大統領には歴史上良くも悪くもカラフルな人物が多い。ピノチェ、カストロ、ペロン、ブランコ、ジュバリエ、フジモリ、チャベス、モラレスなどなど。28日、アルゼンチン大統領選挙は当日開票の結果がおそくて、まだ確定していないが、下馬評通り大統領夫人クリスチーナ・フェルナンデス・キルチネルが選出されるとみられている。ヒラリーさんより『一足お先に』となりました。

の独裁者ペロン以上に政治力と人気があった。だが、エヴィタは大統領をつぐまえに死んじゃった。かわって「英雄色を好む」を地で行ったペロンが亡命中に再婚したイザベル第2夫人が、再起したペロン大統領の病死で大統領に昇格したことがある。しかし選挙でアルゼンチンの代表的女性といえば、映画・ミュージカルにもなり、エヴィタの名で親しまれたエヴァ・ペロンがいる。独裁者ペロン以上に政治力と人気があった。だが、エヴィタは大統領をつぐまえに亡くなった。

Cristina Fernandez de Kirchner (54)

●高学歴の女性政治家たち
現在、国家のトップにある女性はペロンの時代と異なり、高学歴ばかりである。ちょっとみわたしただけでも現在チリの大統領はミチェル・バチェリという医師出身の女性。アフリカ初の女性大統領リベリアのジョンソン・サーリフはスゴイ学歴で国際キャリア組。パキスタンに里帰りしたメナヒム・ブットは英米名門大学出身。クリントンと同級生のフィリピンのアロヨ然り。ウクライナの元首相ティモシェンコも美貌と富に加えて一応学歴がある。ヒラリー・クリントンは歴代米大頭領のなかでは数少ない高学歴である。

で、このクリスチーナ・キルチネルは法科にいたとき学生結婚して、夫はサンタクルス州知事から大統領に、夫人は国会議員になり強引にメディアに登場、生活ぶりが華々しかったという。南米の人はエヴィタにしろ、このクリスチーナや対立候補のエレガントな女性議員のような「華」がお好きなのですね。高学歴で美貌か、どこもかしこもせちがらい世の中になりました。

南米の選挙は正確には知らないが殆どの国で投票が義務づけられている。したがって90%台の投票率でがある。出口調査はいまこれを書いている時点でクリスチーナ42〜46%、対抗の女性議員エリサ・カリヨの19〜23%だから、過半数を得て第1回目の投票できまるだろう。

●一にも二にも安定路線
アルゼンチンや南米のインフレは毎年倍になるスーパーインフレの時代があったが、破産もせずいつのまにか10%に沈静化した。フォークランド紛争は遠くに去り、話題はもっぱらサッカーである。そんなわけでこの国土広大な国の政策がどうなのか、さっぱり要領を得ず、サルコジに負けた左派のセゴレーヌ・ロアイヤルがクリスチーナを訪問、互いに意気投合したとかくだらないことばかり。とりあえずクリスチーナは、夫のネストル大統領が効果を上げた経済安定化路線を継続するもよう。思い切った改革は国民の望まないところらしい。だから夫は妻を大統領候補に指名してサポートしたのだ。とはいえ派手好きな女性、世界を飛び回るのでしょうな。(了)

余談:アルゼンチンとチリは原住民系が少なく、90%以上がスペインなど欧州系であるため気意が高い。あるとき『私たちは白人国よ』とご機嫌を害した女性がいました。この南米2大白人国で女性天下が出現した。大和撫子よ、奮起めされ。



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