安達正興のハード@コラム
Masaoki Adachi/安達正興


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帰国したベナジル・ブット元首相
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〈 2007年 10月 19日 金曜日 )


● ブット一行に自爆テロ
ベナジル・ブットは数メートルの差でからくも無傷で助かった。死者134人、負傷者340人を出した大爆発だった。自爆犯人はまずカーボンを爆発させ、そちらに注意をそらしておいてブットを乗せた特別設えの凱旋トラックに近づき、車を取り巻くガードがいるためトラックに体当たり出来ず警察車輛2台を巻き添えに自爆した。それでもトラックに燃え移る威力があったが、高いお立ち台にブットと一緒にに鈴なりになって立っていた側近、ジャーナリスト、支持者はみな難を逃れた。

8年ぶりに祖国に帰ったブットオさんは、カラチ空港に待構えた15万の大群衆に迎えられ、市内にはいったところでこの暗殺自爆テロがおこった。帰国からこの3時間に満たない出来事は、亡命8年間に勝る強烈な時間を生きる体験である。この事件がブットの政治活動にプラスになるのは明らかだが、今後警護が厳しくなるので選挙運動がやりづらいだろう。

衝撃的な事件であったが、パキスタン国会の総選挙は予定通り行われ、まだ完全合意されていないがムシャラフ大統領とブット首相の組み合わせ。権力分担に収斂していくとおもわれる。ブットの汚職、ムシャラフの権力独り占めなど互いに法律違反をあげつらえばキリがない。ブットの「パキスタン人民党」が選挙で地滑り奇跡的に勝利を得るなら別だが、ムシャラフ支持者は広く浸透している。

●過激派の仕業か、政府軍のプロットか
犯人は、アルカイダまたはタリバン系となっているが、彼らが予告したブットを狙う理由漬け・動機が腑、明瞭。たんにテロ対策で米と協調するからというのはムリがある。狙うなら過去何度もトライして成功していないムシャラフだろう。一方、ムシャラフよりの政府軍周辺のほうにこそ納得しやすいブット暗殺の動機が有り余るほどあって、親の仇・軍部を骨抜きにしようとするブットを心良く思っていない。

●サルコジ離婚とフランスの新時代
サルコジとセシリエ夫人が協議離婚成立、あたらしいフランスの指導者タイプですかね。サルコジに負けたセゴレーヌさんも選挙後すぐ離婚している。翻って、ポンピドー。シラクさんたちは自由に好きなご婦人を何人も抱えて、正妻どのはそういう亭主にやきもちやきませんでした。男女の仲におおらかなフランスでしたが、やんぬるかな。さてサルコジは運輸交通セクターの優遇年金を改革しよぷとして、公共交通の全面ストライキに直面。気の弱い大統領なら入院するほどの深刻な問題にも、シレっとしている。移民の子は生まれながら鍛えられて育ち、苦境に強い。(了)



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