安達正興のハード@コラム
Masaoki Adachi/安達正興


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アル・ゴア、10年目の朗報
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〈 2007年 10月 13日 土曜日 )


●2007年、ノーベル平和賞
よかった、アル・ゴア氏の平和賞受賞を心より喜びます。丸ごと地球の課題に個人アル・ゴアが示した人間の素晴らしさ。

クリントンの副大統領アル・ゴアさんは、京都議定書のリ−ダー格で、それ以前から地球温暖化防止に熱心な上院議員でした。1997年にCO2排出など各国が取り組む数値目標をたて、理想的な内容を80国以上が署名した。署名下はいいが、実行しますと締結した国は3分の1です。

しかし約束実行した国もひとつとして目標値に達成した国はない。産業規模を縮小しないでいくら省エネやったって効果のほどはしれている。国際戦略として環境を前面に押しだしている北欧でも目標達成は絶望的で、当地ノルウェーでは、かわりに期限年度を先延ばししてより高い数値目標を掲げて仕切り直しだそうです。ゴマかしにすぎません。

で、せっかくがんばたアル・ゴアでしたが、親分クリントンは口では環境問題に積極的であってもモニカ・レヴィンスキー嬢との下半身の問題でそれどころじゃなかった。2000年の大統領選挙でもクリントンのバックアップがぬるま湯程度しか得られず、ブッシュに負けてしまった。あのときの開票がほんとうに正しいのかもう一度全国の票を再点検したらどうなったかわからない選挙結果でした。

● 容れられなかったアル・ゴア
人間が体験した最大の悔しさを味わったアル・ゴア、しかもブッシュは京都議定書をバカにしてきた。ゴアさんは踏んだり蹴ったりの目にあってきたのである。一時TVにお笑いタレントとして姿をみせたこともある。そんなアル・ゴアが地球環境を訴えて自分の持ち金でたった一人の運動を始めたことは、驚異的な偉業というしかない。自分をしゃれにする余裕もある強靭な精神を持つゴアですが、副大統領のころはクリントンからいい役回りを貰えず、人となりが見えなかったようにおもう。

90年代おわり、特にアメリカのようにエネルギー使用、CO2排出の規制に反対する国民に地球温暖化の脅威を説くことは危険ですらあった。このところの天候異常につれて、次第に認められ、2007年にはブッシュも態度を変えるようになりました。といってもいまさら国連の気候変動枠組み協議に復帰するのはメンツがゆるさないのか、独自の国際会議を立ち上げたのですが、こういうのはボイコットしようではないか。

●不都合な大統領選出馬
とにかく、今回の受賞に際しブッシュもクリントンも惜しみない賛辞を呈し、共同受賞したIPCCのインド人議長とはケンカばかりしていたがこれで仲直り。メデタシメデタシ。自作の映画「不都合な真実」Inconvinient Truthがアカデミー・ドキュメンタリー賞を受け、このところ賞が重なるゴアに、もう賞なんていらない。大統領になる事だ、と言った支持者がいる。どうかな、今回はもうおそい。出馬は不都合です(了)



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