安達正興のハード@コラム
Masaoki Adachi/安達正興


-------- ----------------------------------
ミャンマー、一触即発
------------------------------------------
〈 2007年 9月 26日 水曜日 )


●坊さんデモ衰えず
ミャンマーは連日、すでに9日目に入って市民参加が次第に加わり、ヤンゴンで10万人が更新したと伝えられる。門扉の間に立つス・チーさんが警備員の間に立つている望遠画像がTVに映し出され、英外務大臣は感激。このスー・チーさんファンの青年外相はミャンマー軍政に対してEU の経済制裁を強化せよと訴えた。

市民でもならたちまち逮捕、暴力でけちらす軍政だが僧侶のデモにはちょっと手出ししにくいのか、あれよあれよという間に衝突すれば大惨事になるまで膨れ上がった。あの国では食うや食わずの僧侶が、きっとそれだから尊敬されているのだろう。しかし東南アジアの僧侶は最も従順でときの政府の圧政に順々と従い、チベットやブータンのように最後の土壇場になって反抗しては投獄されいつのまじか殺される悲しい宿命を背負っている。本来、仏教国として英植民地から独立を勝ち得たときは僧侶が活躍した。インドではヒンズーのガンジーが同じ宗教的指導者として成功した。やはり東南アジアの諸国は僧侶たちが国家体制の変革に欠かせないということか。

しかしミャンマーの僧侶たちは各地の寺院がそれぞれ独立していて縦型に系列化されていない。しかも横の繋がりがうすく、組織力が弱い。そのため大群衆のデモに関わらずどの坊さんが指導者なのか、わたしのニュス源では判らない。デモのきっかけは8月ガソリン、灯油燃料の値上がりに同情した坊さんが抗議行進を行った。それがあらゆる不満に火をつけたのだろう。

2大都市ヤンゴンとマンダレーに厳戒令(夜間外出禁止令)と集会禁止令を出した軍政は装甲車を配置、丸腰の僧侶・市民が何万人いようと軍が命令すれば制圧はたやすい。しかし90年の弾圧が、外部によく知られないままに起こったのに反し、今は携帯があり、ネットがある。世界にこっそりと武力弾圧出来ない時代になった。ケイタイ/ネットがスゴイ威力を出す時代なのだ。

●いいぞブッシュ
このところブッシュはミャンマーの人権擁護と軍政批判に、猛然というか本気の意気込みがかんじられる。国連での演説は久しぶりに説得力があった。一度ブッシュを支持したからには半分以上は最後まで支持したい内心があるわたしはホっとしました。ホント、民主選挙で圧勝したアウアンサン。18年前スーチーさんを自宅軟禁して発足した軍政府は、抗議する市民、僧侶3000人を殺害して恐慌政治をつづけている。

この軍政が米の経済制裁を受けてから、例によってその間を中国が潜り込んだ。軍政の後ろ盾となり武器支援と貿易を我が物顔に謳歌した。だもんで『政権が安定している、スー・チーなど関係がない』と言ってはばからないボーダレスビジネスが欧州・日韓台が競争し、観光産業まで乗り出した。発端は毎度のことながら中国の空巣狙いである。

実際のこところミャンマー軍政への経済制裁を実行しているのは言い出しっぺのアメリカぐらいで、ブレアが後に続いたぐらい。ビジネスに欧州各国、日本などは率先して進出している。ASEANに平気でミャンマーを招待する神経はどうかと思う。また取り残されてはならじという経済界の焦りはいかがなものか。

ミャンマー経済制裁の国連安保理決議はすべて中露の拒否権で通過していない。だが今度ばかりは中国への目が厳しく世間の注視にある。『中国は他国の内政に政治干渉しない』とスポークスウーマンが逃げをうったが、ミャンマー軍政にてこ入れしている中国が、靖国と教科書にはさんざん内政干渉しておきながらなんと白々しい開き直りか。オリンピックを控えて、さあどうする胡錦濤どの。(了)



Pnorama Box制作委員会

ひとこと言いたいなんでも・掲示板へ
筆者へのmailはこちらまで
HOMEへ戻る