安達正興のハード@コラム
Masaoki Adachi/安達正興


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退屈、アフマディネジャドの国連演説
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〈 2007年 9月 26日 水曜日 )


●ニューヨークのアフマディネジャド
コロンビア大学での講演で非難の矢面に立ったアフマディネジャドが翌25日に国連総会の演壇に登場。わたしこの退屈極まりないライブを40分、全部TVで見ておりりました。われながらあきれる。最後は神懸かりの宗教的説教になり、きっとこういうのがイランでは受けるのでしょうけれど、国連議場はシラけるわな。

主要各国は軒並み欠席、中ソ、アフリカと中東の国が席についているが、どこからも拍手がない。やはりアフマディネジャフの主張、名指しを避けた批判はともかく、その根拠・理由付けがあまりにも現実離れした独特の思い込みが、イラン詣でに出かけた国々でさえ困惑気味だった。

ひとつ、イランの核開発計画はない、この件は終わった。あとはIAEAとの通常協議でよいとする次の発言:"But today, because of the resistance of the Iranian nation, the issue is back to the agency (IAEA), and I officially announce that in our opinion the nuclear issue of Iran is now closed and has turned into an ordinary agency matter." エ、論争はおわってませんよ。イラン核施設のピンポイント爆撃に何トンぶち込むかと話が進んでいる時に、これはイラン側の対抗宣伝ですね。

IAEAのエルバラダイは福田総理以上の話し合い至上主義者で、この男が核開発疑惑国の行く先どこまでもぶら下がっているしか能がない。それなのにグルメレストランで毎日ゆっくり食事を楽しむツラの皮の厚さが、ああ憎たらしい。

●楽しませてくれた悪役たち
初登場のアフマディネジャドは悪役にしてはとにかく退屈、終わりそうで終わらない冗長な演説だ。同じ悪役でもフルシチョフのような議場騒然となった挑発や、ホルスターに拳銃(おもちゃ)を引っさげアラビアンスカーフに軍服姿のアラファトが総立ちの拍手を受けた、あのエキサイトはまるでない。カストロが人間の幸福と懐古的なモラルを説き、議場を感銘に包んだ名演説がある。近い所では大統領に就任してまもないカルザイが国連総会議場に入る時から演説終えて出るところまで、なんというかカッコよかった。そのカルザイさんも今回は議場でカメラが追っかけないタダの首長にすぎない。政治家のときは冷酷に過ぎ行く。(了)



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