安達正興のハード@コラム
Masaoki Adachi/安達正興


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自民党新総裁、フジモリ拘置ほか
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〈 2007年 9月 24日 月曜日 )


●福田康夫新総裁
派閥領袖の談合で決まった福田総裁が選挙システムに助けられて無事当選、新首相になった。こんな総裁選びが健在なのは戦後レジームからの脱却がいかに困難か、小泉さんは派閥解消を意図して自民党をブっ壊すと言い放ったけれど、成果はこのとおり根っこでは何も変わっていない。党内力関係に会わせた再編により領袖の派閥会長が時代とともに小粒になり、結束力は弱まった。若手議員が親分の指図に従わない傾向は時代の趨向によるものであって、小泉さんの成果ではないだろう。

党員・党友による地方票合計は麻生太郎が25万3000で福田康夫の25万票を上回っている。各都道府県一律に3票割当てという派閥の力が影響して逆転した。国民投票なら麻生氏が確実に勝っただろう。無粋な自民党総裁の選出法は問題がある。

しかるに各国の反応は非常に好意的でロシア、中国、北朝鮮まで福田新首相への評判が良い。これを文字通り受けるほどのバカはいないとおもうが、甘く見られているってことです。フクダは与し易い人物、言質を取りやすい人物と見なされている。相当に酷い外交をやっても『話し合い』を求めて争わない首相は、そりゃ大事にされお世辞漬けにされます。ゆめゆめ油断めさるな。

● フジモリ拘置
チリは長らくお荷物になっていた民間人フジモリをチリ警察に判決後数日で引き渡した。南米諸国では逮捕。収監、裁判、判決を経ず突然行方不明になりそれっきりになる者がピノシェ時代のアルゼンチンを筆頭に各国いまでも多い。フジモリ時代が特に多いというわけでなく、資本家の支援を受けて反フジモリのトレドが選挙中からヤクザまがいのフジモリ手法を非難して当選し、そのときに起訴した殺害指令や、買収、着服など数々の罪状で、引き渡しを要求してきた。

現ガルシア政権はそれほどフジモリを敵対視していない。それでも約半分の7件がチリ最高裁で認定されたことは大きく、現ガルシア政権は裁判をウヤムヤにできない。またセニョール・フジモリは個人に責任はないが政府がひどい失敗をしたこともあったと認めている。側近が証拠十分で有罪判決を受けていることなどあり、無罪放免はできないだろう。ペルー政府が果たして公正な裁判を進められるか、政府にもフジモり氏にも大試練である。ひとつ言えることはこれでケイコ・フジモリのオレンジ革命に追い風が吹く。(了)



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