安達正興のハード@コラム
Masaoki Adachi/安達正興


-------- ----------------------------------
総裁選、フジモリ送還 ほか
------------------------------------------
〈 2007年 9月 22日 土曜日 )


●自民総裁選
自民党総裁選が明日決まるというのに全然盛り上がらない。それどころか誰に決まろうと、オレ/アタシたちには関係ないと言って憚らない成人のなんと多いことよ。かりそめにも世界第2の経済力を誇る国の首相が選ばれるときは、それなりの世界ニュースになって当然なのですがね。

総選挙までのツナギの首相で、形勢は福田さんに決まったも同然。で主要閣僚も異動なしときたら投票権のない一般市民がソッポを向くのも敷いた仕方ないか。極端に平和な社会である。でもやっぱり世界の常識に照らして極端に異常な社会なのです。

日本の国際貢献力は優れているが、広報のカオたる首相が知られざる人物では周知されない。いったいこの国をリードするのは誰なのか、フランスはサルコジ、ドイツはメラケル、イギリスはブラウン、ロシアはプーチン、中国は胡錦濤、台湾は陳水編、アメリカは支持率がなくてもリーダーは100%ブッシュである。ネームバリューがなければ国際発言力はゼロと思え。

● フジモリ送還判決
チリ最高裁が13件の容疑のうち7件を認めたのはちょっと意外。第一審では証拠不十分でペルー側の申し立てに応じられない、つまり引き渡しできないとした審理結果を考え合わせると、相当に厳しい決定だ。これが最終判決で控訴はできない。ではなにが逆転させたのか、1)反フジモリだったペルーのカスイティロ政権が安定し、人道的には穏健な政策で成功していること。2)ペルーでの裁判が公正に行われる見通しができた。3)日本の参院選に落ちたことで、単なる刑事被告人であるフジモリ氏に対して、日本国籍を有すると謂えども日本政府への考慮を余りしないでも良くなった。国会議員を身柄引き渡しするとなると、移送に複雑な諸問題がもちあがる。

さて早々にもペルーに移送されるようだが、今でも4人に一人がペルーのフジモリ支持者と見られている。ゲリラとの戦いでは南米らしい荒っぽい討伐作戦を敢行し、人道的に西側から抗議されたものの、治安を回復し、原住民の山岳農業を立て直し、経済を軌道に乗せた業績がある。ペルーでは刑事被告人として長い裁判を迎える。年齢から推して長期間の拘留は無理、リマの日本大使館人質事件では恩義のある日本です。早期釈放を機会あるごとに求めるべきだと思う。

● 女性優位のノルウェー政府
評判の芳しくないエノクセン石油・エネルギー大臣が辞任し、後任に中央党の女性党首自治大臣だったハーガさんが着任した。この女性は環境に大変ウルさい人で、再生可能代替エネルギーへの移行を夢見る。当地2大石油産業が合併してできた新組織のリーダーとどこまでケンカするか、おもしろい。辞めたエノクセンは北ノルウェーの寂しい島に住む妻子から帰ってくれと懇願され、本人も小さい娘が不憫だからと夏前から辞職願いを出していた。が、予算審議と選挙がおわるまで首相が辞表を預かっていたため、いま晴れて辞められたというわけ、空席になった自治大臣にやはり女性が任命されたので、閣僚は10人が女性、男性9人となりました。めでたさも中ぐらいなりオナゴ政治。(了)



Pnorama Box制作委員会

ひとこと言いたいなんでも・掲示板へ
筆者へのmailはこちらまで
HOMEへ戻る