安達正興のハード@コラム
Masaoki Adachi/安達正興


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褒貶(ほうへん)の安倍内閣
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〈 2007年 8月 29日 水曜日 )


●褒める
安倍改造内閣は時間をかけて人選しただけあって、けっこうな盛り合わせだとおもう。参院惨敗のあとじれったいほど待たされましたが、その間、人選する首相が一番苦しんだので、ねぎらいの言葉をメールしたいくらい。安倍晋三は政策変更ができる柔軟さをこのひと月、それこそ2年分謙虚に学んだとおもわれる。ただ変わり身がおそく、イライラさせるのですが、風見鶏よろしく空気に吹かれて一貫性がない人物よりはるかに上質である。

●貶す
とまあ、ここまでの賛辞は現実に即した感想なのです。が。個人的にはぜんぜんおもしろくない。政治資金でダメージを受けたのでクリーンな人を、閣僚の失言で任命能力を批判されたので手堅い人を、キチンと根回しを弁えた経験者を選ぶとなるとハードルが高すぎて新人が入り込めるスキはない。重要閣僚ポストは総務相のほかは老人クラブです。良いと思ったのは留任した四方のうちのご三方でした。

閣僚を歴任したあの人もこの人も、大臣時代はソツなく終えたがて取り柄のあった人とは思えない。外相時代の高村氏はあれでも外務大臣かとおもうほど、情けない日本の顔でした。外地からはよくわかるのです。力量は小池氏のほうが数段うわてだ。これは特措法延長を穏便に進める最善の布石か。ならば横向きにだまりましょう。

●『お友達内閣』への批判は誤り
安倍さんは『お友達内閣』を批判されて決別したが、そもそも仲良しを結集した「お友達内閣」がなぜ悪い?共産圏や独裁国家のような側近家族をを集めるわけでなし、政策集団の近い仲間を重用して組閣するのが、民主国家の慣わしだ。それでこそ首相や大統領が代わるたびに政策変更大胆に実行できるのである。シラクからサルコジに代わってどうなったか、シュレーダーからメラケルに代わって連立政府でありながら一転したではないか、ブッシュだって、ま最後に任命した年来の子分ゴンザレスが去り・・ですがアメリカは徹底して「お友達ホワイトハウス」です。来年クリントンが勝てばやはり彼女の『お友達ホワイトハウス』に様変わりするのです。

どうしても再編したい年金問題には舛添厚労相のお力を借りるけれど、派閥の領袖を集めて改革などできるか!これは小沢民主党に対する防壁内閣といってよい。そうか、それが今一番大事なのでしたね。でもおもしろくない。

●私感、あるべき政治形態
信頼できる政府と政治家について、わたしは非常にカゲキでシンプルな解釈をもっています。
1) 国会議員、閣僚、省庁幹部、官邸トップは男女均衡していること
2) 男子政治家はファミリーマン、独身でもそのタイプであること。
3) 政策を異にする実力者を封殺のため大臣に誘わない、また要請を拒否する。

説明します。大臣要請を育児や、難しい10代の子供を抱えている家庭事情を理由に断る場合があってよい。実際そのような国は少なくない。日本では閣僚就任を断る人いがいませんね。『国家の大計に携わるは男の本懐、子供などに構っておれるか』なんて政治家はお引き取り願いたいス。女性の登用が少なすぎる。小泉内閣は女性閣僚5人で発足したが、いらい先細りである。スポーツや力仕事以外は、男女とも実務能力に差はありません。科学的な真理です。伝統的に男性社会が強固であった我が国では女性の社会進出を促すよりも、女性を優先的に採用するのが手っ取り早い。それには民間より政府関係で率先するのが最良かつ可能な方法です。まずは首相が女性閣僚を増やすことからはじめよ。(了)



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