●アジアのジオポリティックを変える日印協力
安倍首相のインド訪問は国際メディアが盛んにとりあげている。小沢さんが脳死と喩えた安倍政権の脆弱さはどこへ吹っ飛んだか、それには目をつぶって日本とインドの結びつきがアジアのジオ・ポリティックにどう影響するか。日印が手を結べば中国へのカウンターとして重みを増す、という期待感をもって見つめているようです。中国経の味方が厳しい昨今、ケチをつけているだけでは中国の脅威とやらはかわらない。
そんな時に日本とインドが経済的にも安全保障(軍事)の分野でも緊密になれば、中国の脅威はそれだけ和らぐ。実質的に結果が出るのはいつになるかは問わず、しかし穿った見方をすれば「中国封じ込め」だ。気分的におちつく。と、これは西側が注目する見方だが、インド本国ではたいしてニュースになっていないのですな。当事国は内実をよく知っているので過度な期待はない。あっさりしたもんです。というのも日本はインドへの投資に後発である。米・中・欧に先を越され、いまごろ250人の経済ミッションが首相と一緒にきても、一人相撲の感じが拭えない。とはいえ、インドはインフラが未熟で日本企業が大型製品を作ろうにもロジスチックが未整備だからムリもないのですが。
●『ベンガル湾軍事』に日の丸
日印がすすめる2国間経済連携協定(EPA)はいっかな進展せずでしたが、今年はじめに安倍さんがやっと来年中に成立させたいと時限を明確にしたのはよい。四つの作業グループが立ち上げられ、それぞれ貿易、技術、投資などを詰めることになった。また追っかけて小池防衛相がインドの防衛相と安全保障の協力を話し合う。具体的には来月予定されている「ベンガル湾軍事」の最終取り決めとおもわれる。この訓練にはオーストラリア、アメリカ、日本(インド洋のイージスを配船か)が艦艇を派遣する。上海シックス+の向こうを張るほどスケールは大きくないがカウンターではある。
●原発建設を日本に発注したいインド
さて、インドは日本から新しい原発所建設を望んでいる。今回はそのトップ企業である三菱重工と東芝が専門スタッフと共にミッションに加わっていた。米との擦り合わせがタイヘンだが、安倍政権ならギリギリ了解をとれるだろうと思う。
メルケル独首相がまた中国に行く。両国の国交正常化35周年とかで式典出席がメインという。でも3日も滞在する。前回は経済協力のほかに環境・気候変動・人権に注文をつけたメルケルさんでした。今回もよろしくお願いします。(了)