安達正興のハード@コラム
Masaoki Adachi/安達正興


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ペットが買い主より威張るが如し
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〈 2007年 8月 20日 月曜日 )


●次官任命は大臣の権限
防衛大臣の同省事務次官の人事に現職の次官がねじ込む……ことができる国ってのは民主国家ではありえないことですよ。こんなもん議論するまでもなく、大臣の権限ダ。これを白紙にもどせるのは首相だけですが、首相の内諾を得て次官任命の辞令がでるのだからふつうならあり得ない。

同じ政権でも大臣が替われば次官も替わってよい。次官を他の省庁だろうと民間だろうとすげ替えるのは大臣の権限で、これは大臣にやりたいことが出来るように、政策が実行しやすいようにする人事である。件の大臣と次官が会談して物別れになったとは、これじゃ大臣も次官も同等の力持ちじゃン、次官殿はなにさまとお考えか。

●次官は政治家であってはならない
官僚が意にそぐわないなら辞職すりゃ良いので、抵抗したりサボタージュするなど公務員の職務に反する行いで馘首にあたる。実際はしかし複雑な雇用法、就業者の人権などあって滅多に解雇などできないのですが、さもなくば私など何処にも勤められない。元へ戻って更迭される次官が不服でそのことに抗議、大臣にですよ、するのは当然かまわないがそれを公にして味方を募るなどはもってのほかだ。省内での最終決定権は常に大臣であり、頭を通り越して首相に談判するのは2重のもってのほか(語彙がたらない)だ。また会う首相もどうかしてます。

次官人事には正副官房長官による人事検討会議を経て決定する習慣があるという。これは民主政治に逆行しませんか。この検討会議はいわば日本型政府の吹き出物だ。事前に知らされていないとオカンムリになるまことに幼稚な情報独占による決定システム。民主政治に反します。

●重力の法則
大臣と次官の誰それが問題なのではなくプリンシプルを壊しては何ごとも機能しない。ニュートンのリンゴと同じで政治は重力の法則で動く。組織の命令系統は上から下へ落ちてゆくのが自然で、甘やかすとペットが買い主より威張るような事態になる。近ごろ自衛隊員の醜聞が多かった。気骨ある次官なら前防衛相の辞任と心中していただろう。(了)



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