●イラクに初めて足を入れたフランス
またも出ましたサルコジ・サプライズ。前任シラクが断固反対し、後ろを向いたイラク戦争から4年、代わったサルコジがクシュネル外相をイラクに派遣しました。この話はブッシュの別荘で決まったらしい。プライベートな家族昼食に招ばれ、ボート遊びなどしているうちにこういう政治決断ができる。他にも今後の米仏関係修復に色々な案を矢継ぎ早にブッシュに披露しただろう。前回、G7サミットでブッシュと会談した時は質問攻めにしたそうですが、今度は自分のアイデアを喋りまくった。
フランスがイラク和平を実質的にすすめることなどもちろんできやしない。これは開いた大西洋をパッチアップするサルコジのシンボル的意思表示にすぎないが、ブッシュにはそれで充分だ。いまドイツはアフガンから撤退するよう野党に突き上げられていて、それ以上に国民の大半が撤退を望んでいる。治安維持に派兵したので戦闘に参加するためではないという理由です。小沢さんは国連の要請に基づくアフガニスタンには派兵できる意見ですが、ドイツに代わってあげたらいかがですか?
メラケルもブラウンも紛争や軍事をできるだけテーマにしない。破竹の勢いのプーチンに楯突くこともなくなった。ひとりサルコジが気炎をあげている今日この頃です。
●クシュネルとデメロと国連と
さてイラクに3日間の予定でイラク入りしたクシュネル外相は長く国連の仕事をしていたのでセルジオ・デメロとは親友だった。あれは何年前か、イラクの国連本部がトラックボンブで爆破され、下敷きになった特使のデメロが救出をまちながら息絶えた。思えばあれが武装派反乱のハシリだったのかな。あの事件で国連職員が現地職員数人を残して全員引き上げてしまい、武装派は味をしめたのです。べらぼうな給料を目当てに出張した国連職員など役立たずのムダ、即座に引き上げを決めたコフィー・アナンは下の下。あのころ憤懣やるかたないわたしはイワンのバカをもじって「アナンのバカ」ってコラムにかいておりました。先般イラクの国連関与を強める国連決議がでましたが、国連職員組合が派遣反対声明をだした。体質は一向にかわっておらん。
で、クシュネルはまずテロ爆破の犠牲となった国連職員のメモリアルに献花し、ジバリ外相と会談。日曜日はマリキ首相と会談したが、具体的な中身はなし。当然だ。国連強化に役立てば……フランスも来ました……そんなところだろう。
●ブッシュを小馬鹿にするマリキ
ところがマリキは月曜からアサドに支援を仰ぐためシリアへ、先日はアフマディネジャドに会ってきたばかり、もうすっかりブッシュの意見をきかなくなった。米の傀儡政権に小馬鹿にされる米、15万5000の兵士を送り込んでいるアメリカの辛抱強さにただただ驚くばかりです。
ここはマリキの要望に耳をかたむけ、任せるミつまり好きなようにさせて上げることが米軍撤退の道を開くのではないかと思う次第。数ヶ月ぶりに各宗派代表が集まるところまでこぎつけた。2日にわたった話し合いでで何が決まったかというと、合同会議の各派代表が何人で誰にするかでありました。決裂しなかったことは偉大!マリキはシリア訪問で3が日留守にする。週末に会議があり、奇跡的にシーア、スンニ、クルド指導部が連帯できるか?奇跡を願うしかない。(了)