安達正興のハード@コラム
Masaoki Adachi/安達正興


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アフガン現ナマ作戦
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〈 2007年 7月 25日 水曜日 )


● 拉致交渉、最後は現金で
アフガニスタンで韓国奉仕チームがタリバンに拉致されたのが19日、今日は25日です。タリバンたちはもう処刑期限をしめさなくなった。交渉は一進一退、シナリオはぼ予想通りに経過しています。いよいよお金の話になってきた。

拘留されたタリバン兵と拉致韓国人の交換は、カルザイのノーで交渉は決裂。タリバン側にも釈放してほしい人選で意見がわかれ、等数交換から8人になり、その名簿をまた撤回したり、内部で合意できていない。

あとは韓国側と直接交渉して現金をせしめる方便だ。かといってタリバン一味と韓国側が直接交渉におよぶのをだカルザイ政府が許しはしない。ならば国外で交渉する手があるが、地方部族のタリバンたちは国際ネットをもっていない。土着なのだ。カルザイ政府は身代金を仲介管理する。ほかにも仲介したい部族長たちや拉致グループの地盤であるカズニ州の有力者がいて、韓国は随分高く払わされるだろう。23人ですから数億円に上るか。

今週中に現地NGO3人を含む女性18人が釈放されるだろう。が、最終的な金額はまだまだ紆余曲折があるといえ、7月中に合意できないとあぶない。ケチらないことです。

●イギリス軍の現金ワイロ作戦
タリバンの攻撃に悩まされるイギリス軍がタリバン兵士に『平和に暮らしなさい』と諭してワイロを渡しています。わたしもエっと驚いたのですが、イギリスでは知られたことなのでした。根っからのタリバン戦士に脅され、無理矢理リクルートされる農民や失業の民、またパキスタンのマドラサ(イスラム神学校)やその他のイスラム学校の子供たちが歩兵として軽武装で前線にかり出される。そういう「にわかタリバン」は諜報員や平和推進組織が差し出す現金をもらい、かわりに武器を置いてタリバンを廃業する。背後でバラマキを指揮、出資しているのははイギリス軍である。

イギリス軍は今年1月と5月にこの作戦をおこない、1.5millポンド(2億5000萬円)で4000人のタリばン兵を改心させた。もちろんその後、お金を使い果たして変心する者もいるが『これほど安上がりの戦略はない。イラクで米軍がテロリスト一人を殺害するのに5億円かかっているぞ』!とタイムズのブログにありました。なるほど。

● EUからふんだくったカダフィ
釈放のために支払った史上最高額は昨日のブルガリアの看護婦たちのそれである。相手が超大物カダフィとあっては分が悪い。8年の年月を費やしてHIV感染被害の幼児438人X一人当たり1億2000萬円=525億6000萬円也。この補償金で保釈金は大部分EUが財政苦しい新メンバーのブルガリアにかわってかき集めた巨額の現金だ。この記録はきっとギネスにアプされ長らく破られないだろう。

カダフィはロッカビー上空で爆破墜落した被害者の家族に弁済して、核を廃棄。そうやってテロリスト国家から外してもらい、西側の支援再開で石油開発を軌道に乗せた。そしていまあのとき支払った弁済を、ちゃっかり取り戻したのですね。(了)



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